体が硬い人より「力が抜けない人」のほうが問題?体の緊張について
こんにちは、
神戸市北区にあります小国整骨院の小国です。
「先生、私、体が硬いんです。」
よく患者から聞く言葉です。
確かに、体が硬いと、
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肩が上がりにくい
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首が回しにくい
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腰が曲げにくい
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股関節が動かしにくい
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前屈すると手が床につかない
など、体の動きに制限が出ることがあります。
そのため、「硬いところを柔らかくすればいい」と考える方も多いと思います。
もちろん、筋肉や関節の柔軟性を高めることが必要な場合もあります。
しかし、体を診ていると、それだけでは説明できない方もたくさんいます。
それが、
「体が硬い」のではなく、「体に力が入りすぎていて、力が抜けない」方です。
この「力が抜けない」という状態には、筋肉だけではなく、痛みや不安、疲労、睡眠不足、ストレスなど、さまざまな要因が関係していることがあります。
今回は、「体の硬さ」と「力が抜けないこと」の違いについてお伝えしたいと思います。
「体が硬い」と「力が抜けない」は同じではありません
例えば、仰向けで脚を上げてもらったとします。
脚が上がりにくいと、
「股関節が硬いですね」
と思うかもしれません。
ところが、実際には、
「脚を上げようと頑張りすぎている」
「お腹や太ももに力が入っている」
「反対側の脚まで踏ん張っている」
ということがあります。
つまり、関節そのものが硬くて動かないのではなく、
体が無意識にブレーキをかけているため、動きにくくなっている場合があるのです。
「硬いから動かない」だけではなく、「力が入っているから動かしにくい」ということもあります。
なぜ体に力が入ってしまうのでしょう?
人間の体には、自分を守るための仕組みがあります。
- 痛みがあるとき。
- 怖いとき。
- 不安を感じているとき。
- 緊張しているとき。
このような状況では、無意識に筋肉へ力が入りやすくなります。
例えば、転びそうになったとき。
「今から筋肉に力を入れよう」
と考えてから力を入れるわけではありません。
体が反射的に身を守ろうとします。
これは大切な反応です。
問題なのは、こうした緊張状態が長く続いてしまうことです。
交感神経が働きやすい状態では、体も緊張しやすい
ここで関係してくるのが、自律神経です。
自律神経には大きく分けて、交感神経と副交感神経があります。
交感神経は、活動するときや緊張するときに働きやすい神経です。
例えば、
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仕事を頑張っているとき
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車を運転しているとき
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危険を感じたとき
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人前で緊張しているとき
などです。
このとき体は、活動しやすい状態になります。
心拍数や呼吸などが変化し、筋肉も働きやすい状態になります。
ですから、交感神経が働くこと自体は悪いことではありません。
私たちが日中活動するために必要な仕組みです。
大切なのは、活動するときにはしっかり働き、休むときには体がリラックスできること。
この切り替えです。
「緊張したまま戻れない」ことが問題になる
仕事や家事、人間関係のストレス、睡眠不足、痛みなどが続くと、体が緊張しやすい状態になることがあります。
すると、
「寝ているのに体が休まらない」
「朝から肩に力が入っている」
「歯を食いしばっていることが多い」
「呼吸が浅い気がする」
「施術中でもなかなか力が抜けない」
といった状態になることがあります。
つまり、
交感神経が働くことが悪いのではなく、緊張とリラックスの切り替えがうまくできないことが問題になる場合があるということです。
痛みがあると、さらに体は緊張します
例えば腰が痛いとします。
腰を動かすと痛い。
すると体は、
「これ以上動かしたら危ないかもしれない」と判断します。
そして腰の周囲だけでなく、
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お腹
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お尻
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太もも
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背中
などにも力が入り、体を固めようとすることがあります。
すると、
痛い
↓
体を守るために力が入る
↓
動きが小さくなる
↓
体が動かしにくくなる
↓
患部に響く
↓
痛い(さらに動かすのが怖くなる)
という悪循環が起こることがあります。
ここにストレスや睡眠不足、疲労などが重なると、さらに体が緊張しやすくなることもあります。
「力を抜いてください」と言われても難しい理由
施術中に、「力を抜いてくださいね」と言われたことはありませんか?
でも、これが苦手な方は少なくありません。
なぜなら、「力を抜こう」と頑張ってしまうからです。
「肩の力を抜いてください」と言われると、肩を一生懸命下げようとしてしまう。
これでは、別の場所に力が入ってしまいます。
実は、何も力が入っていないと認識している状態から、
「もっと力を抜いて」
と言われても、0から-1にするのは難しいものです。
そこで、簡単にできる方法があります。
一度、力を入れてから抜いてみる
力を抜くことが苦手な方は、
「一度、わざと力を入れてから抜く」という方法を試してみてください。
例えば、肩でやってみましょう。
① 肩をすくめる
肩を耳に近づけるように、少し力を入れます。
このとき、思い切り力を入れる必要はありません。
「今、肩に力が入っている」と自覚できる程度で十分です。
② 数秒そのままにする
肩に力が入っている感覚を少し感じてみます。
③ 「ふっ」と力を抜く
肩を下げようと頑張るのではなく、力を抜いて自然に落とします。
すると、「力が入っている状態」と「力が抜けた状態」の違いが分かりやすくなります。
なぜ、この方法が分かりやすいのでしょう?
私たちは普段、無意識に体へ力を入れています。
そのため、「力が入っていることに気づいていない」ということも少なくありません。
一度意識的に力を入れることで、「これが力が入っている状態なんだ」と感じることができます。
その後に力を抜くことで、「力が入っている状態」と「力が抜けた状態」の違いが分かりやすくなります。
これは、体の緊張に気づくための練習にもなります。
肩以外でもできます
慣れてきたら、いろいろな場所で試してみましょう。
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手を軽く握ってから開く
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お尻に少し力を入れてから抜く
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足の指を軽く丸めてから力を抜く
などです。
ポイントは、
「一度力を入れる → その後に力を抜く」という順番です。
ただし、痛みのある場所に強く力を入れる必要はありません。
あくまでも「力が入っている」と感じられる程度で行いましょう。
入浴も体をリラックスさせる時間になります
もう一つおすすめなのが、入浴です。
忙しいとシャワーだけで済ませてしまいがちですが、時間に余裕があるときは、湯船につかってみましょう。
38〜40℃程度のぬるめのお湯に10〜15分ほど入ることを目安にします。
熱いお風呂に短時間入るよりも、「少しぬるめのお湯で、ゆっくり過ごす」ことを意識してみてください。
体を温めながら、「気持ちいい」と感じてゆっくりする時間を作ることも、心身のリラックスにつながります。
夏場は入浴でも汗をかきますので、入浴前後の水分補給も忘れないようにしましょう。
※のぼせないようにご注意ください。
整体で大切なのは「硬いところを柔らかくする」だけではありません
例えば肩こりの場合。
「肩が硬いから肩を揉む」だけではありません。
なぜ肩に力が入っているのかを考えます。
もしかすると、
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胸郭が動きにくい
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呼吸が浅くなっている
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背中が動きにくい
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首を支えるために肩が頑張っている
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姿勢を維持するために力が入り続けている
のかもしれません。
腰痛でも同じです。
腰だけを見るのではなく、
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股関節
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骨盤
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背中
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足首
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呼吸
-
体の使い方
など、全身の状態を確認します。
そして、「どこが硬いのか?」だけではなく、「なぜそこに力が入っているのか?」という視点を大切にします。
強い刺激が必ずしも良いとは限りません
「体が硬いから、強く揉んでもらいたい」という方もいます。
強い刺激で一時的にスッキリすることもあります。
しかし、すでに体が緊張している場合、
強い刺激=体が緩むとは限りません。
場合によっては、刺激に対してさらに身構えてしまうこともあります。
そのため、体の状態によっては、「強くほぐす」より「安心してもらう」ことが大切になります。
- ゆっくり触れる。
- ゆっくり動かす。
- 痛みのない範囲で動かす。
- 呼吸に合わせて動かす。
そうすることで、体の防御的な緊張が少しずつ減っていくことがあります。
体が柔らかいことより「動きやすいこと」
ここで大切なのは、「体が硬い=悪い」ではないということです。
筋肉が働くことは、体を守るために必要です。
関節を安定させるためにも筋肉の緊張は必要です。
問題なのは、必要以上に力が入り続けている状態です。
体を動かすときには力を入れる。
必要がなくなったら力を抜く。
この切り替えができることが大切です。
だから整体でも、単純に「柔らかい体」を目指すのではなく、
「必要なときには力を出せて、必要のないときには力を抜ける、動きやすい体」を目指していきます。
まとめ
「体が硬い」と感じている方はたくさんいます。
しかし、その中には、本当に筋肉や関節が硬いと、体に力が入り続けて、硬く感じている人がいます。
そして、体の緊張には、痛みや疲労、睡眠不足、ストレスなどが関係していることがあります。
交感神経も、私たちが活動するためには必要なものです。
大切なのは、頑張るときには頑張れる、休むときには、しっかり力を抜ける。
この切り替えです。
もし、
「体がいつも力んでいる」
「リラックスするのが苦手」
「マッサージを受けてもすぐに硬くなる」
「ストレッチをしても、なかなか柔らかくならない」
という方は、単純な筋肉の硬さだけではないかもしれません。
まずは、一度、少し力を入れてから「ふっ」と抜いてみる。
そして、ゆっくりお風呂に入り、何もしない時間を作ってみる。
そんな小さなことから、自分の体の「力の抜き方」を練習してみてください。
体を柔らかくすることだけを目標にするのではなく、「必要なときに力を入れ、必要のないときには自然に力を抜ける体」を目指していきましょう。
監修:柔道整復師 小國良成