腰椎椎間板ヘルニア

先日、腰痛でお困りで来院された患者さんが、

「ぼくは、ヘルニアとかではないですよね?」

とご質問をいただきました?

ヘルニアは腰の疾患では1番有名な病名ですよね

でも、実際はどんな疾患か、知らない人も多いのではないでしょうか?

そこで今回はヘルニアについてかいてみました。

 

そもそも、ヘルニア(hernia)とは?

体内の臓器などが、本来あるべき部位から「脱出・突出」した状態を指します。

腰のヘルニアは、「腰椎椎間板ヘルニア」といいます。

腰椎椎間板とは?

背骨の骨と骨の間にあるクッションのことでのことです。

そのクッションの膜が破れて中身が出てくるわけです(脱出、突出)

症状

この破れて出てきたものが神経を圧迫して、様々な症状を引き起こします

腰の痛み

坐骨神経痛
臀部(お尻)の痛み
太ももの痛み・しびれ
スネの痛み・しびれ
足の痛み・しびれ
脚や足の知覚異常

脚や足の筋力低下
排尿、排便障害

 

実は、

レントゲンやMRIの画像からわかった

椎間板などの異常と痛みやしびれといった症状とは

一致してないことがよくあります。

というのも、脚がしびているという患者さんがMRIを撮影したところ、

ヘルニアが見つかりました。

そして、数日して症状が収まったのでMRIを撮影しても数日でヘルニアが消えてることはありません。

 

また、

腰痛や脚のしびれなど症状が全く無い人と腰痛や脚のしびれなど症状がある人を

同じ数だけ無作為にMRIを撮影した結果、ほぼ同じ割合でMRIの画像にヘルニアなど

異常が発見されたという報告があります。

つまり、画像でわかった異常が今まで腰痛やしびれの原因と思われていたけれども、

異常があり症状がある人、

異常があり症状がない人

異常はないが症状がある人

というように画像と症状とは必ずしも一致しないことが明らかになりました。

画像の異常とは別の原因によりその症状がおこっていることがよくあるわけです。

今では、腰椎椎間板ヘルニアで手術することが以前に比べて減りました。

細胞の働きで突出していたヘルニアも時間とともに消失していくこともわかりました

手術

腰椎椎間板ヘルニアでの手術適応の可能性は、約5%と言われています。

腰椎椎間板ヘルニアの手術適用となるケースとしては、

保存療法を3ヶ月程度行っても痛みやしびれ、筋力低下などが改善されない

我慢できない強い痛みのために日常生活が著しく制限されている

神経障害で排尿障害で尿意が分からなくなり、失禁などを頻繁に起こしたり、

肛門がしびれてしまって、排便障害がある

この、排尿や排便障害を境にして、手術適応とされることが多くあります。

治療(保存療法)

〇腰椎が動き過ぎて椎間板への負担が増しているので股関節や動きの少ない背骨の可動性を改善して腰椎への負担を軽減する。

〇姿勢や使い方を見直して、腰椎に負担のかからない使い方をおお伝えします。

身体を前に倒したときに、①股関節が柔らかい人は股関節で曲がり腰はあまり曲がらない

でも、②硬い人は股関節が曲がらずに腰から曲がって手は床に触れることもできないです

②のような使い方(曲げ方)や姿勢(座り方)をしていると腰椎の一部分に負担がかかり

その結果、椎間板が破れて中身が出てきます。

 

①股関節から曲がっている

 

②腰から曲がっている

 

当院の治療について