高齢者の歩くときにおこる腰痛について
神戸市北区にあります小国整骨院の小国です。
先日ご来院いただいた80代の患者さんのお困りごとは、歩いていると起こる腰痛です。
腰痛が起こると歩き続けることが辛くなり、休憩すると歩けるようになるそうです。
この様に、歩いていて腰痛がおこって休まないといけないといったご相談はよく受けます。
そこで、今回は高齢者の歩行時に起こる腰痛について書いてみましたのでご参考にしていただければ幸いです。
高齢者の歩行時の腰痛
脊柱管狭窄症による痛み
背骨の中にある神経の通り道が狭くなることにより神経が刺激され腰や臀部、下肢(脚)に痛みやしびれを伴う
歩行時や腰を伸ばしたときに通り道が狭くなるので症状が出やすいが、立ち止まって、座ったり腰を前に曲げることで通り道が広がり神経への刺激が解放され症状が楽になります。(間欠跳行)
腰の筋肉に由来する痛み
加齢により背中が丸くなると、重心が前に行くために腰背部の筋肉が伸びながら出力するので筋の内圧が高くなり疲労しやすくなります。
筋肉は伸縮することで、血流が良くなり老廃物を排除し栄養を運びますが高齢者の歩行は動きも小さくなり腰背部の筋の伸縮も少ないので血流も良くなりにくく疲労が溜まりやすいと言えます。
そこで、立ち止まって腰を伸ばすことで内圧が下がり楽になります。
右の図は姿勢による腰背部の筋肉の内圧の変化を示しています
図のaは健常者、bは間欠性跳行を訴える人
臥位(寝姿勢)では腰背部の筋肉は使われていないので内圧は低いです。
バランスよく立てば立位中間位でもそう高くはありません
前屈すると高くなってきますが最大前屈位では靭帯の働きによって筋肉の内圧は30度前屈位より下がります。
※図は「腰痛」菊池臣一著 医学書院より参照
治療と対策
靭帯の肥厚や変形した骨を元に戻すことは不可能ですので手術が必要なケースもありますが、
前後左右のバランスを整えることで筋肉の緊張が緩み、股関節や胸郭などの関節可動域が改善されてきます。
すると、歩行時の姿勢や症状も改善していきます。
まとめ
高齢者の腰痛でおこる、歩行時痛(間欠性跳行)や立ち仕事での痛みは神経を刺激しておこるものと
筋肉の内圧が高くなることによる筋肉性のものがある。
それには、姿勢が大きく関与します。
監修 柔道整復師 小國良成