夏の疲れを癒す残暑の食養生 ― 胃腸にやさしい温かい汁物で元気回復!
こんにちは。
神戸市北区にあります小国整骨院の小國です。
9月に入っても日中は蒸し暑く、まだまだ夏の延長のような気候が続いてますね。
「体がだるい」「食欲が落ちている」「なんとなく疲れが取れない」
こうした声を、患者さんからよくお聞きします。
これは、夏の間に冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎたり、冷房にあたり続けたことで、体が冷えたり胃腸が弱っていることが一因です。
いわゆる「夏の疲れ」が表面に出てくるのが、この残暑の時期なのです。
こうした季節には、体にやさしく栄養を補い、消化を助けてくれる食事がとても大切です。
その代表が お粥・味噌汁・温かい汁物 です。
シンプルな料理ですが、残暑を乗り切る養生法として非常に効果的です。
残暑を乗り切る参考にしていただけましたら幸いです。
胃腸を休める「お粥」の力
夏の間、冷たい飲み物やそうめんなどを口にする機会が増えると、胃腸は想像以上に疲れています。
胃腸が冷えると働きが落ち、食欲不振やだるさ、便秘や下痢の原因にもなります。
そんなときにおすすめなのがお粥です。
お粥はお米を水でじっくり炊き、柔らかく消化のよい状態にしたもの。
胃腸に負担をかけずにエネルギーを補えます。
逆に、消化に負担がかかる食べ物は、多大なエネルギーを使ってしまうということです。
揚げ物や脂っこい食事、硬い肉などは、胃腸が消化するためにフル稼働する必要があり、体は「食べるだけで疲れる」状態になってしまいます。
風邪を引いたり体調不良の時に消化の良い物を食べるということは余分なエネルギーの消費を避けるためです。
その点、お粥はやわらかく消化がスムーズ。胃腸を休ませながら、体力の回復を助けてくれる理想的な食事といえるでしょう。
腸を整える「味噌汁」の力
日本の食卓に欠かせない味噌汁。
味噌は発酵食品で、腸内環境を整える善玉菌をサポートしてくれます。
腸が元気になると免疫力も高まり、疲れやすい残暑の体を内側から守ってくれるのです。
さらに、味噌汁は具材を変えることで季節の栄養を手軽に摂ることができます。
たとえば残暑の時期なら、夏野菜のなすやピーマンを入れてビタミン補給、少し秋めいた食材のきのこを加えて免疫力アップ。
しじみの味噌汁は肝臓を助けて疲労回復に効果的です。
また、朝に味噌汁を1杯いただくと体が目覚め、血流がよくなり、その日1日の調子が整いやすくなります。
水分と栄養を同時に補える「温かい汁物」
残暑はまだ汗をかく季節です。
体からは水分とミネラルが失われていきますが、冷たい飲み物ばかりでは胃腸をさらに冷やしてしまいます。
そこでおすすめなのが、温かい汁物です。スープやけんちん汁、野菜たっぷりのお吸い物など、形はさまざまですが共通しているのは 「水分と栄養を同時に摂れる」 という点。
体にやさしく吸収され、疲労回復につながります。
特に根菜類を使った汁物は、体を内側から温める作用があり、冷房や冷たい飲み物で冷えた体を整えるのに役立ちます。
食養生で大切なのは「温める」と「負担を減らす」
残暑の養生で共通しているキーワードは「温める」と「胃腸への負担を減らす」です。
冷えは万病のもとと言われます。
特に胃腸が冷えると、全身の元気が奪われてしまいます。
さらに、消化に時間とエネルギーがかかる食事は、体を休めるどころか余計に疲れさせてしまいます。
ですから、
・冷たい飲み物を控え、常温か温かい飲み物にする
・汁物を1日1回は食卓に取り入れる
・揚げ物や脂っこい料理より、煮物や蒸し料理を選ぶ
こうした小さな工夫が、体を守り、秋に向けて元気な体をつくります。
まとめ
残暑は「夏の疲れ」が一気に出やすい時期です。
そんなときこそ、胃腸にやさしく体を温め、負担を減らす食養生が大切です。
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お粥で胃腸を休め、消化を助ける
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味噌汁で腸を整え、免疫力アップ
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温かい汁物で水分と栄養を補給
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消化に重い食事を避け、体に余計な負担をかけない
どれも昔から日本人が続けてきた知恵であり、難しいものではありません。
「なんとなく疲れが取れないな」と感じたら、まずは食卓に温かく消化のよい一品を加えてみてください。
体は食べたものでつくられます。
残暑の食養生を心がけることで、秋を元気に迎える準備ができますよ。
監修:柔道整復師
小國良成