寝ても疲れが取れないのはなぜ? ― 現代人の疲れの原因とは
神戸市北区にあります小国整骨院の小国です。
「しっかり寝ているのに疲れが取れない」
「昔は一晩寝れば元気になったのに…」
患者さんから、このような声をよくお聞きします。
実は、昔の疲れと現代の疲れは質が違うと言われています。
そこで、今回は、現代の疲労の摂り方の新常識をお伝えしたいと思います。

昔の人は体をよく動かしていました
昔は営業の方も事務の方も、
・階段を上り下りする
・会議室へ移動する
・外回りで歩く
など、日常の中で体を動かす機会がたくさんありました。
さらに
・昼と夜の生活リズムがはっきりしている
・夜更かしが少ない
・睡眠時間もしっかり取れている
このような生活だったため、
自律神経のバランスも整いやすかったのです。
そのため、昔の疲れの多くは
体を動かしたことで一時的に疲労物質がたまることでした。
しかし体をよく動かしていたため、それらはすぐに処理され、寝れば回復できたのです。
現代人は「動かない疲れ」が増えている
ところが現代はどうでしょうか。
・長時間のデスクワーク
・オンライン会議
・スマホやパソコンを見る時間が長い
このように、1日中ほとんど動かない日も珍しくありません。
すると体の中では
・血流が悪くなる
・酸素や栄養が届きにくくなる
・老廃物が流れにくくなる
このような状態になります。
例えるなら、洗濯物を洗濯機の中に放置するようなものです。
すぐ干せば乾くのに、放置すると臭いや雑菌が増えてしまいます。
体も同じで、動かないほど疲れは体の中に居座ってしまうのです。
実は乳酸は「疲労物質」ではありません
よく、「乳酸が疲労の原因」と言われますが、実はこれは少し違います。
乳酸は、体を動かすことで生まれてくるのですが、
・脳
・心臓
にとって大切なエネルギー源でもあります。
体を動かすと、乳酸は再利用され、その過程で余分な疲労物質の処理も進むと言われています。
ところが座りっぱなしだとこの仕組みがうまく働きません。
そのため休んでもだるい状態が続くということが起きてしまうのです。
現代の疲れは「動くこと」で回復する
では、どうすれば良いのでしょうか。
答えはとてもシンプルです。
少し体を動かすこと。
激しい運動でなくても大丈夫です。
研究では、6分ほどの中程度の運動でも脳を目覚めさせることが分かっています。
例えば
・速歩き
・階段を上る
・軽いスクワット
など、息が少し弾む程度の運動で十分です。
分かりやすく例えると、息は弾むけど、誰かと話しながら歩ける強度です。
数分の動きでも体は変わります
「短い時間では意味がない」と思われる方もいるかもしれません。
しかし実際には、2〜3分歩くだけでも
・脳の血流が改善
・注意力が向上
・疲労感が軽減
することが報告されています。
そのため、疲れた時は長く休むよりも、2〜3分の休憩をこまめに取る方が疲れにくいと言われています。
休憩の時には
・深呼吸
・首や肩を回す
・少し歩く
などの動きを加えると、より効果的です。
朝の重だるさは「6秒ジャンプ」でリセット
朝起きた時、
「体が重い」
「頭がぼーっとする」
ということはありませんか?
そんな時は、ほんの一瞬体を動かすだけでも効果があります。
研究では、6秒だけ全力でジャンプや足踏みをするだけでも、
・覚醒ホルモンが増える
・血流が良くなる
・神経が目覚める
ことが確認されています。
イメージとしては電車に飛び乗る時の全力の一歩くらいの動きです。
長くやる必要はなく、ほんの数秒で十分です。
ただし
・高血圧の方
・心臓に不安のある方
は無理をしないようにしてください。
現代の疲れは「休むだけ」では回復しない
昔の疲れは体を使った疲れでした。
しかし現代の疲れは動かないことで起こる疲れが増えています。
そのため休むだけでは回復しにくいのです。
これからは「休むだけ」から「動いて回復」へ。
ほんの数分でも体を動かすことで脳も体もリフレッシュします。
「最近、疲れが抜けにくい」
そう感じる方は、ぜひこまめに体を動かす習慣を取り入れてみてください。
それだけで体の調子が変わるかもしれません。
監修:柔道整復師 小國良成
参考文献 :疲れ鳥大図鑑 市原淳宏著