強いマッサージの落とし穴!実は弱い刺激で身体は変わる!
こんにちは神戸市北区にあります小国整骨院の小国です。
当院には、肩こりや腰痛など、慢性的な症状を抱えた方が多数受診されていらっしゃいます。
そこでよく耳にするのが、「肩凝りが酷くてご主人や家の方にマッサージをしてもらっています」
ここまでは、良いと思うのですが、ほとんどの場合、次の続くのが「強い力でゴリゴリと」や「ギュウギュウと」してもらっている
どうしても強い刺激のマッサージが効果的だと思われがちで、また求めてしまいますが、
実は強い刺激のマッサーや施術には体を傷めるリスクがあります。
逆に弱い刺激によるマッサージや施術は体に優しく、安全で無理なく治療効果を引き出すだしてくれます。
特に自律神経の調整に優れた効果を発揮します。
そこで今回は弱い刺激のマッサージや施術による自律神経の働きと効果についてお伝えしたいと思います。
家でのケアの参考にしていただけますと幸いです。
自律神経とは?
自律神経は、私たちの意識とは無関係に働く神経系で、身体の様々な生理的な機能を調節しています。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の二つの部分から成り立っており、それぞれが身体の状態を調整しています。
交感神経
活動時に働き、ストレスや緊張が高まると働きが活発になります。
心拍数を上げたり、血管を収縮させ血圧を上昇させたりと「戦うか逃げるか」の反応を引き起こします。
副交感神経
リラックスした状態で働き、心拍数を減少させ、血管を広げ血流をよくし血圧を安定させるなど、身体を休める作用があります。
日常生活では、交感神経と副交感神経がシーソーのごとくバランスよく働き、身体の状態を調整しています。
現代のストレス社会では、交感神経が過剰に働きやすくなり、リラックスできる時間が少なくなってしまうことがよくあります。
そのため、副交感神経を優位に保ち、リラックスした状態を作ることが、健康維持において非常に重要となります。
慢性的な肩凝り、腰痛の原因とは?
慢性的な肩凝りや腰痛の原因は使い方が悪い、姿勢が悪い、疲労困憊など色々とありますが
いずれにしても患部周辺の筋肉はかたくなっています。
これは、筋の緊張が強く血流が悪くなっていると言えます。
自律神経の働きで言うと交感神経が優位に働いていると言えます。
そこで、強い刺激を与えると
強い刺激の施術のリスク
1. 自律神経の過剰反応
強い刺激が体に加わると、交感神経が過剰に刺激されます。
この状態では、心拍数の増加、血圧の上昇、筋肉の緊張が生じ、リラクゼーション効果が得られにくくなります。
過剰な交感神経の刺激は、施術後に疲労感や不快感を引き起こす可能性があります。
2. 体へのダメージのリスク
強い刺激を伴う施術は、筋肉や結合組織に過度の負担をかける可能性があり、炎症や損傷が発生し、それを治すために組織の瘢痕が進みます。
瘢痕化してくると感覚が鈍くなり、より強い刺激を求める様になり悪循環になります。
3. 精神的ストレス
強い刺激は、リラックスするどころか緊張状態が生じます。
この緊張が精神的なストレスを引き起こし、施術の効果を損なうだけでなく、不安感や不快感を生じさせる可能性があります。
弱い刺激と自律神経の関係
弱い刺激のマッサージや施術では副交感神経を優位にし、リラックス効果を高める働きをします。
副交感神経が優位になることで、血流が改善し体の緊張がほぐれ、心身のリセットが図られるのです。
1. ストレス軽減と心身のリラクゼーション
副交感神経の働きにより、心拍数や血圧が正常化し、深いリラックス状態をもたらします。
現代社会では、ストレスが慢性的に溜まりやすい環境にありますが、リラックスすることは心身の健康を維持するために欠かせません。
副交感神経が優位になることで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられ、リフレッシュ感を得ることができます。
2. 睡眠の質向上
自律神経のバランスが崩れると、睡眠の質にも悪影響を及ぼします。
交感神経が活発すぎると、寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めてしまったりすることがあります。
逆に、副交感神経が優位に働くと、リラックスした状態で眠りに入りやすく、深い眠りを得ることができます。
弱い刺激のマッサージは、夜間の睡眠をサポートするためにも有効です。
3. 身体の回復を促進
副交感神経が優位になることで、体は「休息と回復」のモードに切り替わります。
筋肉の緊張がほぐれ、血行が促進されるとともに、免疫機能も活性化します。
これにより、身体がリラックスしている間に、修復や再生が進み、筋肉疲労や慢性的な痛みが改善されるのです。
特に、疲れが溜まりやすい人や体調不良を感じている人にとって、弱い刺激のマッサージは回復を促す手助けとなります。
4. 痛みの軽減
慢性的な痛みや筋肉のこわばりは、交感神経が過剰に働いているサインであることが多いです。
強い刺激は、痛みを和らげる効果がある場合もありますが、逆に痛みを引き起こすこともあります。
副交感神経が優位に働くと痛みの感受性が低下するため痛みを軽減する助けになります。
5. 血圧や心拍数の安定
強い刺激は交感神経を過剰に活性化させ、血圧や心拍数を一時的に上昇させることがあります。
しかし、弱い刺激のマッサージは副交感神経を優位にし、血圧や心拍数を安定させることができます。
これにより、体全体がリラックスした状態に導かれ、ストレスによる身体的な負担を軽減することができます。
6. 精神的な健康の促進
自律神経の調整は精神的な健康にも密接に関係しています。
交感神経が過剰に働くと、不安や焦燥感、イライラなどの感情が強くなりやすいですが、
副交感神経が優位になることで、穏やかな気持ちを取り戻し、心のバランスを保つことができます。
リラックスすることで心が安定し、精神的な健康が促進されます。
まとめ
弱い刺激でのマッサージや施術は、自律神経の調整に非常に有効です。
交感神経と副交感神経のバランスを整えることによって、ストレス軽減や睡眠の質向上、身体の回復促進、痛みの軽減など、心身に多くの利益をもたらします。
特に、多くの人が抱えるストレスや過労、精神的な不調に対して、弱い刺激のマッサージは非常に効果的な治療法となり得ます。
自律神経の働きを整え、リラックスした状態を作り出すために、是非、ご自宅で弱い刺激のマッサージを取り入れてみてくださいませ。
監修:柔道整復師 小國良成