60代男性の右肩痛
40代や50代で肩に痛みが出てくると四十肩、五十肩を疑うと思います。
実は、いわゆる四十肩、五十肩は、肩が痛くなった時に原因がはっきりとしないもののことを言います。
五十肩とは?
五十肩というのは、俗名で正式な病名は 「肩関節周囲炎」といいます。
この肩関節周囲炎は、いくつか分類されていています。
①肩関節腱板炎
肩の関節において#腕を動かしてくときに腕の骨を関節に固定させる役割をする筋肉が痛んできて 炎症や断裂を起こして痛みを感じ腕が上げれなくなります。
これが悪化していくと完全断裂で手術をすることもあります。
#長い棒を2人で立てようとするとき、1人が棒の先端を地面に固定させますよね!その役割です。
腕を自力で上げると痛みがあり上げられませんが、 他力(反対の手や誰かに介助してもらう)で上げると痛みなく容易に上げることができます。
②肩峰窩滑液包窩
肩の関節において腕の骨の上に屋根の部分があり、
屋根と腕の骨の間に動きを円滑にするためのクッションがありますが そのクッションが
勤続疲労により炎症をおこして肥厚したり周りの組織と癒着して 肩の関節を動かす妨げになります。
自力でも他力でも横から上げていくと痛みを感じ動きが制限されます。
③上腕二頭筋長頭腱炎
腕にある力こぶのできる筋肉の腱が肩の前方を通って肩の関節に付着しますが
その腱の炎症などで摩擦や圧迫ストレスが生じると肩の前方に痛みを感じます。
肘を曲げて物を持ち上げたときや上向きで寝ていて体の横にある腕を上げようとしたときに痛みを感じます。
④石灰沈着性腱 (偽痛風)
突然に激痛を生じることが多いです。
肩の周辺の筋肉にカルシウムの塊ができます、レントゲンではっきりとわかります。
痛み止めの注射で寛解することが多いです。
痛みが治まると塊もなくなっていることが多いですが残っている場合もありますが痛みは治まってきます。
上記に関しては原因がはっきりとしてるのですが、
いわゆる五十肩は、 50歳前後に、はっきりと原因がわからずに
肩関節(肩甲骨と腕の関節)に拘縮(固く縮んだ状態)を、 おこし痛みを伴い、可動範囲がかなり制限されます。
数ヶ月〜2年くらいで自然回復することが多いですが痛みは治まっても 可動範囲が制限されたままの場合があります
ので治療を受けることをお勧めします。
いわゆる五十肩には、段階があります。
炎症期(急性期)
とにかく痛みが強く、何をしても痛い。 夜間痛もあり寝るのもつらいです。 対応として、安静、痛み止めも効果があります 三角巾で吊って固定するのも有効。
何よりも鎮痛を優先する時期です.
炎症期は痛みが強いので無理に動かさない。
痛いことはしないように生活を送る。
拘縮期
動かし方によって痛みはあるけれど、強い痛みは治まってきた時期です。
夜間痛も軽減され寝やすくなってきます。
可動範囲は少しずつ拡がってきたので痛みを伴わない動作を積極的に行っていきましょう。
手を挙げたりすると痛いので、まずは、肋骨と肩甲骨から動かしていきます。
回復期
痛みはかなり落ち着いてきます。
動作の最終域や決まった動作で痛みがある程度です。
痛みはあまり感じないので出来ることはどんどんやっていきましょう。
今回は、原因のわかっている肩の痛みについてのお話です。
60代男性で
元々、腰痛でご来院された方でしたが寝るときなど、
右手を頭の横に持ってきたときに
右肩の外側や背側に鈍い痛みを感じるそうです。
それ以外の動きは、ほとんど痛みは感じていないそうです。
痛みの原因は?
腕を上げた時(上の写真の姿勢)に神経(腋窩神経)がQLS(外側腋窩隙)という筋肉の隙間で挟まれます。
挟まれることにより、肩の背側や外側に鈍い痛みを感じます。
また、上腕部の知覚が麻痺したり筋力の低下を伴うことがあります。
治療
QLS周辺の筋肉の緊張を緩めることで腋窩神経の絞扼をゆるめます。
体にゆがみがあったり、同じような使い方をしていると再発してきます。
この方は、お身体のバランスを整えることと使い方を注意していただくことで症状は改善してきました。
まとめ
肩の症状は、姿勢や、体や手の使い方の影響を受けることが多いです。
肩だけを治療してもすぐ戻り、姿勢を改善することで良くなるケースが多いです。
体は繋がっているということを認識していただくと幸いです。