自宅でできる!高齢者のための熱中症対策完全ガイド
こんにちは、
神戸市北区の小国整骨院・院長の小國です。
暑い季節が近づくと心配になるのが「熱中症」。
特に高齢の方にとって、熱中症は命に関わることもある非常に危険な症状です。
「外に出ないから大丈夫」と思っていませんか?
実は、熱中症が最も多く起こるのは“自宅の中”なのです。
1. 室温管理の重要性
高齢になると、暑さに対する感覚が鈍くなりやすく、暑さに気づきにくくなる傾向があります。
また、エアコンが苦手だったり、電気代を気にして使用を控えている方も少なくありません。
しかし、室温が28℃以上、湿度が60%以上になると、体はどんどん熱をため込んでしまい、熱中症のリスクが一気に高まります。
特に注意が必要なのが「湿度」です。
体は汗をかき、それが蒸発することで熱を逃がしていますが、湿度が高いと汗がうまく蒸発せず、体温が下がりにくくなってしまいます。
この状態が続くと、発汗だけが増え、体の水分が失われて脱水状態になります。
その結果、熱中症につながる危険性があるのです。
さらに、北側の部屋など涼しく感じる場所でも、実は熱がこもっていて室温が高くなっていることもあります。
「そんなに暑くないから大丈夫」と油断せず、温度や湿度を数字で確認することが大切です。
また、汗をかいたままにせず、こまめに拭き取ることも予防に効果的です。
✅ 実践ポイント
-
温湿度計を設置して「見える化」しましょう。
-
エアコン+扇風機で室内全体を快適に。
-
直射日光を防ぐためにカーテンやすだれを利用。
- こまめに汗を拭きとる
2. 水分補給は「のどが渇く前に」
高齢者はのどの渇きを感じにくいため、気づかないうちに脱水が進んでいることもあります。
「こまめに水分をとる」ことが最大の予防策。
ただし、冷たい飲み物ばかり飲むのは要注意。胃腸が弱って、水分や栄養の吸収がうまくできなくなります。
✅ 実践ポイント
-
朝起きた時、食事中、入浴後などはじめ、時間を決めて飲む。
-
麦茶や水など、カフェインの少ない飲み物がおすすめ。
-
食欲が落ちると水分も不足するので、消化の良い食事を心がける。
3. 風通しをよくする
室内の空気がこもると体感温度が上がり、汗が出にくくなります。
エアコンだけでなく、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させることが大切です。
また、早朝や夕方の涼しい時間帯には窓を開けて外気を取り入れるのも効果的です。
4. 発熱時の対処
熱中症の初期には、めまい・頭痛・吐き気・ふらつき、足がつるなどの症状が現れます。
第二段階では、全身倦怠感、頭痛、吐き気、けいれん
さらに放置すると、大量の汗をかき、脈が早くなり、呼吸が速くなる、呼吸困難、発熱、
そして意識がもうろうとしたり、倒れてしまう危険も。
✅ 対応のコツ
-
涼しい部屋に移動し、水分(経口補水液が理想)を補給。
-
首、わき、太ももの付け根など、太い血管が通る場所を冷やす。
-
呼吸が荒い・意識がはっきりしない場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
5. ツボ刺激で予防力アップ!
東洋医学の考え方では、ツボを刺激することで自律神経や血流が整い、体の調整力が高まるとされています。
今回は、**熱中症予防に効果的なツボ「陽谷(ようこく)」**をご紹介します。
☑️ 陽谷の場所と押し方
-
場所:手の甲側、手首の小指側の出っ張った骨(尺骨茎状突起)のより指1本分上のくぼみ
-
押し方:反対の親指で、ゆっくりと5秒ほど押して、ゆっくり離す。これを左右1日2〜3回。
陽谷は体内の熱を外に放散するツボとされ、暑邪の熱を取る効果が期待できます。
細い血管にも通じるので、暑さで動悸がするときなどにも有効です。
まとめ
熱中症は命に関わることもある怖い症状ですが、正しく対策をとれば防げるものです。
もう一度ポイントを振り返りましょう。
✅ 室温と湿度をしっかりチェック
✅ 喉が渇く前に水分補給
✅ 風通しを良くして熱を逃がす
✅ ツボ(陽谷)をやさしく刺激して予防力アップ
特に高齢の方は、体の変化に気づきにくいものです。
「まだ大丈夫」と思わずに、今からすぐにできることから取り組んでいきましょう。
暑い夏を元気に乗り切るために、ぜひ今日から実践してみてください。
監修:柔道整復師 小國良成