腕が上がらない肩痛

神戸市北区にあります小国整骨院の小国です。

腕を上げるのに右肩に痛みを伴って上げきれなくてお困りの男性が続いてこられたので、

同じように困っている方もいらっしゃるのではないか

ということで、今回は肩の負担を軽減する使い方について書いてみました。

参考にしていただければ幸いです。

肩の関節について

肩は、腕の骨(上腕骨)と肩甲骨の関節だけではなく、実は5つの関節が複合して動くのです。

(今回、その説明は省きます)

難しくなるのでザックリと説明すると

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手や腕を上げていくと肩甲骨も一緒に動いていくのです。

上だけではなく、前にも後ろにも連動して動きます。気をつけした姿勢から横に上げていくと正常では耳に着くまで約180度動くわけですが

そのうちの120度は、腕の骨の付け根のいわゆる肩関節で動き、残りの60度は土台の肩甲骨が肋骨の上を動き双方で連動して可動していきます。

肩甲骨の動きが悪くなれば腕の動きも悪くなるのですが、体はどこかの動きが悪くなると別の場所でそれをカバーしようとします。

なので、肩甲骨の動きが悪くなると、いわゆる肩関節が代償していくうちに痛みを伴ってしまいます。

では、肩甲骨の動きが悪くなる原因はというと、姿勢が関係してきます。

背中が丸くなると肩甲骨が肋骨に押し当てられ動きが制限され手も上がらなくなります。

なので、まずは肩甲骨が動きやすくなるように、猫背の改善、巻き肩の改善など姿勢を整えましょう。

猫背の改善、巻き肩の改善のエクササイズ

肩甲骨の内側の筋肉のトレーニング

肘をのばして、手の平を後ろ側に向けるように捻じっていきます。

すると、肩甲骨が背骨に寄ってきます。

出来る限り寄せたところで10秒間キープします。

これを片側3回します。

負担の少ない使い方

肩を横から上げるのと前から上げるのは違いがあるの?

腕の骨の上には、屋根のようなものがあり、その関節の構造上、前から上げるとつっかえることはないのですが、

横から上げると腕の骨と屋根(肩甲骨)とがつっかえて、その間にある筋肉などの組織が挟み込まれることがあります。

それで痛みや動きの制限が起こります。

これをインピンジメントと呼びます。

五十肩では、関節が拘縮(縮んだ状態)するので、よりこの間が狭くなり、より可動範囲の制限が起こりやすくなります。

また、身体の歪みなどで肩が上がってるとつっかえやすくなり、腕を横から上げ辛くなります。

腕を上げるときに横はつっかえて上げにくいです。では、スムーズに上げやすい位置(角度)は?

それは、斜め45度の位置!エイ・エイ・オをする位置、またはガッツポーズの位置です。

肩を横から上げると痛いときの対処法

①つっかえるのを回避する

手の甲から上げていくとつっかえるので、

①手のひらを外側に向ける(外側に捻じる)

②上げていく

構造上、腕の骨と屋根(肩甲骨)のぶつかりを回避する。

但し、五十肩ではこの腕を外側に捻じる動きが制限されることがよくあり腕を上げることが困難なります。

そのような場合は、治療を受けることが必要になってきます。

②肩甲骨を下げる

肩の関節は、ボールとソケットに例えられます。

同じようなボールとソケットの関節と言えば股関節ですが

股関節はソケットがしっかりとしていてボールがはまり込んでいますが

肩の関節は、ソケットが小さく不安定です、その分、可動範囲が広いです。

その小さなソケットにボールを固定させるのに働くのが筋肉(写真の黄色線)です。

本来は、肩甲骨に対して腕の骨を引き寄せて固定します。

体の歪みなどで肩が上がっていたりすると、上手く腕の骨を固定できずに痛みや可動制限が起こります。

そこで、上げる前に一旦、肩を下げて肩甲骨から腕に寄せていくと上がりやすくなります。

わかりやすく言うと、エイ・エイ・オーをするとき、エイ・エイで腕を下に降ろす要領です

肩甲骨を動かすエクササイズでも、上や前、後ろには動かしますが下には動かさないので是非、

下に下げるエクササイズもやってみてください。

③肩を動かす支点を意識する

肩を動かすときに、ほとんどの方は意識していないと思いますが、

肩を前や後ろに動かすときも、横に広げて動かすときも支点があり弧を描くように動いているわけなんです。

では支点は、どこにあるでしょうか?

いいわゆる肩、腕の付け根

②鎖骨の付け根答えは、②鎖骨の付け根です。

手(肩)を上げるときに肩甲骨も連動して動きます。

鎖骨の付け根を支点にして動かすと大きくスムーズに動きます。

 

まとめ

肩を動きやすくするには、

姿勢を整えて肩甲骨を動きやすくしましょう

肩の関節では、つっかえやすいのでそれを回避する動かし方をしましょう。

肩甲骨を下げてみましょう

支点を意識してみましょう

それでも、腕を上げにくい場合は治療が必要です。

医療機関や整骨院を受診してみてくださいませ

監修:柔道整復師

小國良成