背中が丸くなるとおこる不調について
疲れてくると背中が痛くなり、段々と首から肩にかけても痛くなり頭も痛くなってくるという
70代の男性がご来院されました。
お話を伺うと慢性的な腰痛もあるそうです
お身体を診せていただくと背中が丸くなって身体が固くなって胸郭と股関節の可動性が低下していました
現在もお仕事(デスクワーク)を続けられて同じ姿勢(背中が丸くなる=円背)を続けていることが多いそうです
背中や首肩、腰痛以外にも呼吸がしにくいとも仰られていました。
背中が丸くなると肋骨の動きが悪くなり胸郭(胸骨、肋骨、胸椎で構成されたもの)の可動性が制限され呼吸するにも息が吸い込みにくくなります
また、肩甲骨の動きも制限され腕を上げることが制限されて肩関節に負担をかけやすくなります。
※胸椎(緑)は肋骨があるため頸椎(赤)、腰椎(紫)に比べて可動性が少ない
実は、当院に通院されている、肩凝りや腰痛を訴える40代以上の方の
ほとんどの方が胸郭と股関節の可動性が低下しています
逆に言ううと可動性が低下しているから肩凝りや腰痛はじめ不調が出てくるのです。
どうしても歳を重ねると背中が丸くなり胸郭の可動性が低下してしまいます
股関節も運動不足や偏った使い方で可動性は知らない間に狭くなっています。
しかし、それで諦めてしまうと症状は酷くなってしまいます。
そこで今回は、背中が丸くなるのを予防する使い方について書いてみました
肩凝り腰痛でお悩みの方、姿勢が気になる方は是非参考にしてください。
背中が丸くなると頭が前に下がり、肩も前にまがってきます(巻き肩)
そこで、
頭を上げて肩を後ろに引くために
①姿勢をこまめに変える
②視線を上げるようにすると頭の位置が上がりやすくなります
③表情は明るく顔の皮膚を上げるようにするのも効果的です。
ストレスを感じると表情が暗くなり顔の皮膚が下がり気味になり頭が下がります
逆に笑うと表情が明るくなり皮膚が上がり頭も上がります
④座っているときに掌を上に向けて腿の上に置くと巻き肩が緩和されます
セルフケア
①ストレッチタオル
バスタオルを丸めて細長くして、その上に背骨を置くように寝転びます(90秒)
②胸のストレッチ
天井を見ながら
両手の掌を外向きに最大限に捻じっていくと肩甲骨が背中で寄ってきます
その状態をキープします(10秒×3回)
③深呼吸(3回)
肩を上げ、大きく息を吸い込んで肋骨を持ち上げます
肩を落として息を吐きます(フーっと細く長く吐き切ります)
ときどき呼吸時に肋骨の動きを意識してみてください
まとめ
動きが少ないと筋肉が伸縮しにくくなり血流が悪くなります。
すると筋肉がかたくなり凝りや張りをおこし関節の動きが制限されたり
背骨に歪みや捻じれがおこり、体の不調が出てきます。
なので肩凝りや腰痛の治療では、様々な方法で胸郭や股関節、背骨の動きを改善していきます。
監修 柔道整復師 小國良成