肩凝りや腰痛、ひざ痛を予防するカギは…
私は、中学から野球を始めて高校を卒業してからも草野球を続けていました。
残念ながら一昨年、卒業して30年在籍したチームも解散して野球も区切りをつけました。
面白いもので、もうやめよかと思ったときにバッティングやピッチングの大きなヒントが掴めました。
そのヒントは、重心です。
スポーツする人はそんなの基本やんと思うかもしれませんが…
打つのも投げるのも身体を回すのですが、回すには軸が必要です。
コマにも真ん中に軸がありますよね。
重心と軸がそろうと綺麗に回転します。
ですが、ズレてしまうと上手くからだが回わせません。
日常生活でも重心を上手くコントロールできれば身体の使い方がラクになり
最小限のエネルギーで動作をすることができます。
例えば、棒を真っ直ぐに立てて支えていると、さほど重さを感じず力はいりませんが、
少し傾き重心と支点がズレると支える力が結構必要になってきます。
人体に置き換えてみると、重心が上手くコントロール出来ている姿勢だとさほど筋力は必要ないですが、
上手くコントロールできずに重心がズレた姿勢になるとある部分の筋肉に過剰に負担がかかります。
それが、肩凝りや腰痛,ひざ痛に繋がっていくのです。
そもそも重心はどこにある?
上半身質量中心(赤)は上半身の重心にあたります
乳首を結んだ高さくらいです
下半身質量中心(黄)は、下半身の重心にあたります
下半身の太ももの2/1〜3/2点の間にあります。
この2つをむすんだ真ん中辺りが身体の重心(青)になります
おへその少し下くらい。
図1
図2
重心の位置による負担の違い
左の写真では、
重心(青)が足よりも後方にあるため立ち上がるのに
太ももの前の筋肉に負担がかかります。
図3
左の写真では、
重心が足の真上にあるため太ももの筋力はそれほど必要としませんが
お尻に負担がかかります。
図4
肩凝りや腰痛、ひざ痛は…
頭の位置も上半身の重心(赤)とそろっていると首周りの筋肉は最小限の力ですみます。
肩凝りは、この位置関係が破綻して前に倒れることにより頭や首肩の後ろの筋肉が過剰に働き痛みやコリを誘発します。
ストレートネックではこの状態で顎が上がり後頭部の付け根の部分の緊張が強くなり頭痛を伴うことも
腰痛は体の重心(青)の上に上半身の重心(赤)がそろっていると腰回りの筋力は最小限の力ですみます。(図2)
しかし、(赤)が(青)より前に倒れると腰背部の筋肉に負担がかかります。(図4)
逆に妊婦さんなど後ろに倒れると腹筋などの前の筋肉に負担がかかり、また腰骨には圧迫する力がかかり痛みなどを誘発します。
ひざ痛は図3のように椅子から立ち上がると太ももの前に筋肉に負担がかかります。
そうなるとお皿にかかってくる力が増しひざへの負担となります。
図4のように重心(青)を前に移してお尻を椅子から浮かすと
お尻や太ももの裏の筋肉を使うのでひざへの負担は減ります。
但し、この姿勢から起き上がる際に腰へ負担がかかるので腰痛の方は注意が必要です。
うまく使うコツは
体の重心(青)と上半身の重心(赤)と頭の位置を意識して揃えて、
足(立位)やお尻(座位)の真上に来る感覚を養うと
肩凝り腰痛になりにくい体にすることができます。
また、うまく重心をずらすことで立ち上がりや座る動作など
楽に行うことができます。
筋力を鍛えて予防するより楽かと思います。
外国では、頭上に物を乗せて運んでいますが、
やってみると物の重心と体の重心がそろわないとできないことがよくわかっていただけると思います。
重心の感覚を養うには良い方法だと思います。
まとめ
立位でも座位でも重心をしっかりと意識することで最小限の力で姿勢を維持することができる。
それができると、肩凝り腰痛、ひざ痛など予防することができ、姿勢も自然と改善する。
また、スポーツのパフォーマンスアップにも繋がる。
まずは、頭を前後左右にズラして頭の重さを感じ、どこに位置すれば最小限の力ですむか
感じることから始めてください。
それでも肩凝り、腰痛、ひざ痛など
身体の不調でお困りでしたら
当院までご相談ください。
監修 柔道整復師 小國良成