肩が突然痛い!上がらない! これって五十肩?、それとも… 知っていてほしい病気のサインとは
肩が突然痛い!知っていてほしい病気のサインとは?
痛みは、身体からの不調を表すサインという役割があります。
痛みを分類すると次のように3つに分類できます。
①体性痛
皮膚や筋肉、骨などへの刺激が原因で生じるもので「ここが痛い」と場所がさせる痛みです。
②内臓痛
内臓への刺激や血流障害で生じるもので、腹痛のように「この辺りが痛い」とはっきりと場所が決められない痛みです。
③関連痛
痛みの原因となっている場所から離れたところに生じる痛みです。
通常の肩の痛みは、肩に刺激が加わって肩に痛みを生じる、体性痛になりますが、
狭心症や心筋梗塞(心臓の病気)では、胸の痛み(締め付けられるような痛みや圧迫されるような痛み)が多いようですが、
広範囲に痛みが生じるため肩、奥歯、腕、背中などが痛い(関連痛)と感じることがあり
心臓に異常があると気づかない場合があります。
もしも、
肩に痛みがあって、安静にしていても痛みが20分以上続くようなことがあれば医療機関を受診してください!
肩に原因がある場合は肩を動かしたときに痛みが生じますが、安静にしていると痛みは生じません!
肩が突然痛い!上がらない! これって五十肩?
患者さんに限らず、40代以上の方から「肩が痛いねんけど、これって五十肩?」とよく質問されます。
特に痛めた原因など思い当たることがなく突然、痛みを感じると不安になってしまいますよね。
そこで、あなたの肩に何が起きているのか?
肩の疾患や五十肩について知っていただくことで少しでも不安を解消していただければと思います。
広い意味で40代くらいから肩が痛いとと四十肩、それが50代だと五十肩といわれていますが
四十肩、五十肩とは、俗名、あだ名のようなものです。
正式名称は「肩関節周囲炎」といいます。
肩の疾患はいくつか分類されていて、それに当てはまらないのが肩関節周囲炎、いわゆる(狭い意味での)五十肩となっています。
名前は難しいですが、分類されたものの中からあてはまるものがあるかもしれませんのでいくつか簡単にご紹介します。
肩関節腱板炎(損傷)
肩にある腱板(インナーマッスル)と呼ばれる筋肉が損傷され炎症がおこります。
腕を自力で動かすと痛くて動かせませんが、他力(補助してあげる)で動かすと痛みなく動かすことができます。
肩峰下滑液包炎
肩の組織(肩峰下滑液包)が腫れたり、肥厚して、
腕を横から挙げると痛みがあり、つまる感じで挙げることが困難になります。
他力で補助しても痛みがあり詰まる感じで上げることが困難です。
上腕二頭筋炎
肩の前方の前方に痛みを感じます。
物をもって肘を曲げるときに痛みを生じます。
石灰沈着性腱 (偽痛風)
突然、肩に激しい痛みが生じ動かすことが困難です。
レントゲンで筋肉にカルシウムの塊があるのを確認できます。
痛み止めの注射が有効です。
いわゆる五十肩(肩関節周囲炎)
上記のように、はっきりと原因がわからずに肩の関節に拘縮(固く縮んだ状態)を 起こし痛みを伴い、
可動域が制限されます。
英語では「フローズンショルダー(凍結肩)」とといいます。
こう聞くと状態がイメージしやすいかと思います。
よく聞かれる質問で、五十肩は動かした方が良いのか?安静にした方が良いのか?と聞かれますが…
五十肩には、症状による3つの段階があります。
炎症期(急性期)
とにかく痛みが強く、何をしても痛い。
夜間痛もあり寝るのもつらいです。
対応として、安静、痛み止めも効果があります 三角巾で吊って固定するのも有効。
何よりも鎮痛を優先する時期です. 炎症期は痛みが強いので無理に動かさない。
痛いことはしないように生活を送りましょう。
拘縮期
動かし方によって痛みはあるけれど、強い痛みは治まってきた時期です。
夜間痛も軽減され寝やすくなってきます。
可動範囲は少しずつ拡がってきたので痛みを伴わない動作を積極的に行っていきましょう。
手を挙げたりすると痛いので、まずは、肋骨や肩甲骨から動かしていきます。
回復期
痛みはかなり落ち着いてきます。
動作の最終域や決まった動作で痛みがある程度です。
痛みはあまり感じないので出来ることはどんどんやっていきましょう!
五十肩は
数ヶ月〜2年くらいで自然回復することが多いですが
痛みは治まっても 可動範囲が制限されたままの場合がありますので
治療を受けることをお勧めします。
肩が痛い以外に、上がらない理由とは?
五十肩をはじめ、先ほどご紹介した疾患は肩の関節に障害が起こって痛みや可動制限といった症状があらわれるのですが…
実は、肩の関節というのは腕の骨と肩甲骨がつながっているところ(肩甲上腕関節)だけが動くのではなく5つの関節が連動して動きます!
動きが複雑なので簡単にお話しすると、
肩甲骨という土台があって、
そこに腕の骨が付いているわけです
例えば腕を気を付けの姿勢から横に上げていくと耳に着くまで動かすことができます。
肩の関節(肩甲上腕関節)が60度動くと肩甲骨も連動して動きだし
その結果、可動範囲が180度だとすればその2/3の120度は肩の関節(肩甲上腕関節)で動き
残り1/3の60度は土台の肩甲骨が動きます。
これを肩甲上腕リズムといいます。
ところが、猫背など姿勢が崩れると肩甲上腕リズムも崩れてしまいます。
背中が丸くなると肩が前に引っ張られて、肩甲骨が肋骨に押し付けられた形になり
肩甲骨がうまく動かず可動域が制限されてしまいます。
上記の疾患や五十肩も姿勢が崩れたままで使っていくうちに
肩甲骨が動きにくい分を肩の関節(肩甲上腕関節)がカバーし続けた結果、痛めたと言えます。
ということで
肩の治療は姿勢の改善と肩甲骨の可動性の改善から行っていきます。
姿勢が整うと余計な筋肉の緊張がなくなり、各関節がスムーズに動きやすくなり痛みも改善していきます。
まとめ
肩の痛みでも、安静にしていても痛みが続く場合は狭心症や心筋梗塞の疑いがある。
肩の疾患は、痛めた場所や原因により分類されている。
姿勢が崩れてくると肩甲骨の動きが悪くなり、その負担が肩関節(肩甲上腕関節)にかかってくる。
もしも、五十肩をはじめ肩の疾患でお困りでしたら、お早めにご相談ください。
監修 柔道整復師 小國良成