睡眠不足

肩凝りや腰痛でご来院いただいた患者さんから

症状を伺っていると時々、気持ちよく睡眠が取れないとご相談を受けます。

寝ていると腰が痛いとか肩が痛いとかで目が覚めるというのではなく!

スッキリと熟睡することが出来ない!

なかなか疲れが取れない!

朝、目覚めてもダル重で活動しにくい!など

そこで、睡眠について書いてみました。

スッキリと眠るために参考になれば幸いです。

睡眠の役割

①記憶の整理

脳の疲れを取り記憶を整理する

②疲労回復

身体の疲れを取り、病気の回復を促す

③修復成長

傷ついた細胞を修復し成長を促す

睡眠のサイクル

睡眠にはサイクルがあります。

大脳を休めるノンレム睡眠と夢を見る浅い睡眠のレム睡眠とが約90分周期で繰り返されます。

ノンレム睡眠の中にも非常に深い眠りと比較的浅い眠りがありますが、

特に、深いノンレム睡眠時は、脳の疲労が回復されるとともに、

筋肉や骨を発達させたり傷の修復を促したりする成長ホルモンが分泌されています。

睡眠に必要な条件

①睡眠時間(量)

年齢によって違いますが、18歳以上で7時間が推奨されています(全米睡眠財団)

②睡眠の質

睡眠中は、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を繰り返しています。

レム睡眠中には基本的に筋肉は動かないようになっていますが、脳は活動をしており夢を見ています。

そして一晩にノンレム睡眠とレム睡眠を4~5回繰り返します。

ノンレム睡眠にはレベルがあり、最も深い眠りを得られるのが最初の1~2回。

つまり寝入ってから約3時間の間に深い眠り=ノンレム睡眠に達すれば、

脳もカラダも休ませることができるため、朝起きた時に「ぐっすり寝た」という満足感を得ることができます。

また、寝入ってから2~3時間後に分泌されるのが成長ホルモンです。

成長ホルモンは単に「成長」を促進させるだけでなく、「細胞の修復」や「疲労回復」に役立っています。

 明け方になると、成長ホルモンに代わってコルチゾールというホルモンの分泌が高まります。

コルチゾールは、体内に蓄えられた脂肪をエネルギーに変えるホルモンで、体が目覚める準備を始めます。

睡眠の質がよくないと、成長ホルモンが十分に分泌されないうちにコルチゾールの分泌が高くなってしまいます。

 

③睡眠のリズムとタイミング

体温の調整やホルモンの分泌など自律神経の働きがあります。

休息モードと活動モードを切り替え、体のリズムを作るシステムが備わっており、それを司るのが体内時計です。

しかし、この体内時計は放っておくと約24時間より少しだけ長いサイクルを刻むため、

1日のサイクルとのずれが生じてしまいます。

このずれをリセットするのが、朝陽です。

しかし、夜更かしなどで起床時間が遅くなってリセットのタイミングがずれると、

睡眠と覚醒のリズムが乱れ、自律神経の働きも乱れてきます。

気持ち良く睡眠をとる方法

①睡眠時間は7時間を目安にする。

②睡眠の質の向上

2-1 起床後、すぐに朝陽を浴びる 

体内時計をリセットします。

 

2-2 規則正しく生活リズムを刻む 

自律神経が整う

 

2-3 食事は寝る3時間前までに済ませる  

食事は、寝る3時間前までに済ませておきましょう。

胃腸が動いている間は睡眠が深くなりにくい傾向にあるため、 食べた後すぐに寝るのはおすすめできません。

 

2-4 アルコール摂取は寝る3時間前まで  

体の中で分解されると、反対に覚醒効果が起こります。

 

2-5 就寝1時間まえに入浴する  

入浴には副交感神経を優位にする効果があります。

人間は、脳や内臓など体の中の温度、「深部体温」が下がる時に眠気を生じます。

体を温めるとその反動で「深部体温」を下げようと働き、熟睡しやすくなります。

入浴の方法は40℃くらいのお湯に10分を目安に浸かり「ああ~気持ちいい」と感じることが大切です。

いわゆる烏の行水(高温で短時間の入浴)は交感神経が優位に働き、逆効果です)

 

2-5 スマホは遅くても30分前には使用を控える  

電子機器からはブルーライトという青い光が出ていますが、

人間は青い光を見ると昼だと脳が認識し、 メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンが減少して寝付きにくくなります。

 

2-6 環境を整える 

照明や室温、寝具にパジャマなど心地よい環境を整える.

寝返りができるスペースの確保。(子供さんやペットと寝てる場合や狭い場所での睡眠は、腰痛や肩凝り、寝違いをおこしやすいですのでご注意を!)

 

2-7 就寝して30分寝付けないときは布団から出る 

早く寝なければと思うことがストレスになるので1度、布団から出て読書をしたり音楽を聞いたり、心地よいほどのストレッチなどでリラックスしましょう。

但し、携帯などを見ることは避けましょう。

まとめ

睡眠不足になると様々な不調がおこります。

睡眠時間を確保することも大切ですが、特に睡眠の質でお困りの方が多いようですので

質を向上させるためにちょっとしたことですがその積み重ねこそが大切ではと思います。

参考にしていただければ幸いです。