正月明けの身体の不調を自律神経の働きから診る

こんにちは

神戸市北区にあります小国整骨院の小国です。

正月が明け、今日から仕事始めの方が多いと思います。

正月は暴飲暴食や不規則な生活、運動不足などが重なり、自律神経のバランスが乱れやすい時期です。

この影響で、身体や心にさまざまな不調が現れることがあります。

そこで今回は、自律神経の視点から正月明けに起こる不調を解説し、それを改善す方法をご紹介します。


自律神経とは?

自律神経は、私たちの意思とは関係なく体の機能を調整する神経で、「交感神経」と「副交感神経」の2つから成り立っています。

  • 交感神経

交感神経が優位になると、体が「戦うか逃げるか(Fight or Flight)」というストレスに対応するための状態になります。

しかし、これが過剰になったり長期間続いたりすると、以下のような体の不調が現れることがあります。


交感神経優位で起こる主な体の不調

  1. 心拍数の増加と高血圧

    • 心拍が速くなり、血圧が上がることで心臓に負担がかかります。これが続くと動脈硬化や心疾患のリスクが高まります。
  2. 呼吸が浅く速くなる

    • 息苦しさや過呼吸を感じることがあります。
  3. 消化不良や胃腸の不調

    • 消化器系の働きが抑制されるため、胃痛、胃もたれ、便秘、下痢などが起こりやすくなります。
  4. 筋肉の緊張とコリ

    • 長時間の緊張により肩こり、首こり、背中の痛みが出ることがあります。
  5. ホルモンバランスの乱れ

    • ストレスホルモン(コルチゾールやアドレナリン)が過剰に分泌され、月経不順や更年期症状の悪化が起こることがあります。
  6. 免疫力の低下

    • 長期間のストレスにより免疫機能が抑制され、風邪や感染症にかかりやすくなります。
  7. 睡眠の質の低下

    • 寝つきが悪くなる、夜中に目が覚める、深い睡眠が取れないなどの不眠症状が現れます。
  8. 疲労感と集中力の低下

    • 慢性的な疲労感、集中力や記憶力の低下を感じることがあります。
  9. 自律神経失調症

    • 交感神経が過剰に働き、副交感神経とのバランスが崩れることで、頭痛、めまい、動悸、倦怠感などの症状が現れます。
  10. 精神的な影響

    • イライラしやすい、不安感が強くなる、気分が落ち込むなどの精神的な不調が起こります。

交感神経優位が続く原因

  • 過剰なストレス(仕事、家庭、人間関係など)
  • 睡眠不足
  • 運動不足や逆に過剰な運動
  • カフェインやアルコールの過剰摂取
  • スマートフォンやパソコンの長時間使用

 

  • 副交感神経

副交感神経が優位になると、体はリラックスした状態になり、以下のような変化が起こります。

副交感神経は「休息と消化」の状態を促進する役割を果たします。

副交感神経が優位になると起こる主な変化

  1. 心拍数の低下

    • 心臓の動きが穏やかになり、脈拍がゆっくりになります。
  2. 血圧の低下

    • 血管が拡張し、血流がスムーズになることで血圧が下がります。
  3. 呼吸が深くゆっくりになる

    • 呼吸が浅く速い状態から、深く落ち着いた呼吸に変わります。
  4. 消化活動の促進

    • 胃腸の働きが活発になり、消化や栄養吸収が効率的に行われます。
  5. 唾液分泌の増加

    • 唾液が増えることで消化が助けられます。
  6. 筋肉の緊張が緩和

    • 筋肉の緊張がほぐれ、体がリラックスした状態になります。
  7. 瞳孔の縮小

    • 光を取り込みすぎないように瞳孔が収縮します。
  8. 排泄の促進

    • 腸のぜん動運動が活発になり、排便や排尿が促されます。
  9. ストレスホルモンの減少

    • コルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンの分泌が抑えられます。

副交感神経を優位にする方法

  • 深呼吸や腹式呼吸
  • 軽いストレッチやヨガ
  • 温かいお風呂に入る
  • 自然の中で過ごす
  • リラックスできる音楽を聴く

副交感神経が適切に働くことで、心身のバランスが整い、健康が促進されます。

ただし、極端に副交感神経が優位になると、だるさや低血圧などの症状が出ることもあるため、バランスが重要です。

 

正月の不規則な生活習慣は、この2つのバランスを崩し、体調不良を引き起こす原因となります。


正月明けに多い不調と自律神経の関係

1. 疲労感やだるさ

暴飲暴食や寝不足により副交感神経の働きが鈍り、体がリラックスできなくなる。

2. 胃腸の不調

交感神経が優位になると胃腸の働きが抑制され、胃もたれや便秘、下痢などが起こりやすい。

3. むくみや冷え

血流が悪くなり、むくみや冷えを感じることがある。これも交感神経が優位になりすぎていることが原因。

4. 頭痛や肩こり

長時間のスマホやパソコン使用、姿勢の悪化が交感神経を刺激し、筋肉の緊張を招く。

5. 気分の落ち込みやイライラ

正月の開放的な雰囲気から日常に戻るストレスで、自律神経が乱れ、不安感やイライラが生じやすい。

自律神経を整える方法

自宅でできるセルフケアを取り入れることで、さらに効果を高めることができます。

1. 深呼吸や腹式呼吸

  • ゆっくり鼻から息を吸い込み、口から吐き出します。
  • 息を吐く時間を長めにすることで、副交感神経を刺激。
  • 毎日5分程度行うと効果的。

2. 軽い運動やストレッチ

  • ウォーキングやヨガ、ストレッチを行い、血流を促進します。
  • 特に肩甲骨周りや骨盤周りを動かす運動が有効。

3. 温活(体を温める)

  • 温かいお風呂に浸かり、体を芯から温めます。
  • 足湯や蒸しタオルを使ったケアもおすすめです。

4. 規則正しい生活を心がける

  • 早寝早起きを意識し、睡眠時間を確保します。
  • 起床後すぐに太陽の光を浴びて体内時計をリセット。

5. 食生活の見直し

  • 消化に良い食べ物(お粥、スープ、野菜中心)を摂る。
  • アルコールやカフェインの摂取を控える。

6. リラクゼーション法の実践

  • 瞑想やマインドフルネスを取り入れ、心を落ち着けます。
  • アロマやハーブティーを活用するのも効果的。

7.整体治療

整体では、自律神経のバランスを整えるために以下のアプローチを取ります。

1. 姿勢の矯正

正月中の長時間の座り姿勢や猫背が交感神経を過剰に刺激するため、整体で骨盤や背骨を整えます。

これにより神経伝達がスムーズになり、副交感神経の働きが高まります。

2. 筋肉の緊張をほぐす

肩や首、背中のコリを解消することで、血流を改善し、自律神経の働きを正常化します。

特に肩甲骨周りのケアは効果的です。

3. 呼吸の改善

胸郭の動きを調整することで、深い呼吸がしやすくなります。

これにより副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます。

4. 頭蓋骨の調整

頭部の緊張を和らげることで、自律神経の司令塔である脳への負担を軽減し、全身のバランスを整えます。


まとめ

正月明けの不調は、自律神経の乱れが原因となることが多いです。

自律神経の働きを正常化し、健康な状態を取り戻すことができます。

新年を気持ちよくスタートするために、今日からできるケアを始めてみましょう!

 

 

監修:柔道整復師 小國良成