夏バテ症状の原因と対策
気温も連日30℃を超え本格的な夏になりました。
来院される患者さんとの挨拶も「こんにちは、暑いね!」が定番になってきました。
そこで体の調子を伺うと、
「ダルい」、「重たい」がもれなくついてきます。
身体全体や腰背部から脚にかけて重ダルさを訴える方が多いですが
それは、夏バテからきているようです。
夏バテの症状
- 体がダルい、重い
- 食欲がない
- 体が熱っぽい
- 頭痛
- めまいや立ちくらみがする
- やる気が出ない
- 疲労がとれないなどさまざまな症状が出ます。
また、ウイルスなどの感染に立ち向かう免疫力も低下します。
夏バテの原因
①食欲不振
先日、ご来院された女性も、身体全体がダルいということなので
詳しく伺うと最近、暑くなってきてから「食欲がない」とのことで
それでも食べないといけないと考えてシリアルやおにぎり、果物を食べてるそうです。
食欲不振の原因でこの時期考えられるのは、
暑いので水分補給が大切ですが、そうなるとついつい冷たいものを摂取する機会が増えてしまいます。
冷たいものを摂取することで胃腸機能の低下が考えられます。
胃腸機能が低下すると栄養の吸収が悪くなり、必要なタンパク質やビタミン、ミネラルが摂取できなくなります。
そして下痢をしやすくなり、お腹が緩くなると体に力が入らなくなります!
②自律神経の乱れ
室内と屋外との温度差が激しく、外に出た時にめまいや立ち眩みを起こしそうになることも…
体温の調整は自律神経が行うのですが急激な変化についていけてないことが原因です。
また、緊急事態宣言などで自粛生活を送っていると外出の機会が減っていることで、
通常なら季節の移り変わりに段々と慣れてきますが、順応する前(体がなじむ前)に夏が来ている感覚です。
(自粛生活以外にも、異常気象の影響もある)
夏バテ対策
①食欲不振
食欲がないときは、消化の良い
●たんぱく質(卵、肉、魚、牛乳など)
●ビタミン(野菜や果物)
●ミネラル(牛乳や海藻)
といった栄養素を意識した、「質」重視の食事を心掛けましょう。
出来るだけ色々な種類の食品を少量ずつ食べることが大切です。
冷たい物は取りすぎ注意
水分補給やアイスクリームの食べ過ぎとかだけでなく、食事でもお味噌汁など温かいものもとるように工夫しましょう。
また、そうめんやそばなど、冷たい麺類には「糖質」が多く含まれており、糖質の代謝にはビタミンB1が必要となります。
糖質をたくさんとるとビタミンB1が不足し、糖質をエネルギーに変えることができず、疲れやすくなるといわれています。
ビタミンB1
疲労回復のビタミンとも呼ばれている
人がエネルギー源として摂取する糖質の代謝をサポートします。
ビタミンB1は汗をかくと不足しやすいため、夏バテの際は意識してとることが大切。
ビタミンB1を豊富に含む食材
●豚肉 ●うなぎ ●大豆 ●玄米 ●ほうれん草 ●ごま
たんぱく質
血液や筋肉など、体を作る基となるたんぱく質は、体調維持に不可欠な栄養素です。
たんぱく質が多く含まれている食材
●肉 ●魚 ●卵 ●大豆製品(納豆、豆腐) ●乳製品
夏バテ解消のためには、良質なたんぱく質が必要です。
肉はモモ肉やヒレ肉、ささみなど、脂身の少ない物を、乳製品は低脂肪や無脂肪の物を選ぶようにしましょう。
ミネラル
暑い夏、体温を下げようとしてたくさん汗をかくと、それだけ水分やミネラル(特にカリウム)が体から排出されます。
ミネラルは筋肉の収縮にもかかわる栄養素で、
不足すると脱力感や筋力低下、こむら返り、食欲不振といった症状を引き起こすリスクがあります。
そのため、汗をたくさんかいたときにしっかり水分とミネラルを補給しないと、
夏バテを悪化させたりしてしまうのです。
カリウムが豊富に含まれている食材
カリウムは熱に弱いため、生のまま食べられる果物類からとるのがおすすめです。
●海藻類(ワカメなど) ●野菜(ほうれん草、小松菜) ●メロン ●桃 ●ぶどう
②自律神経の乱れ
規則正しい生活
●起床、食事、睡眠など規則正しい生活リズムを守りましょう。
室温の調整
●屋外との温度差を5~6℃以内に
●除湿機を使用
入浴
●ぬるめのお湯に浸かり汗をかく
汗は体温を調整するのに大切な機能です
睡眠
疲労を回復するため、しっかりと睡眠をとりましょう。
運動
●涼しい時間に運動する
出来れば朝日を浴びて運動(ラジオ体操など)することがおすすめです。
あさひを浴びると生活リズムを整えやすく、日光を浴びることでビタミンÐの生成を促し骨粗しょう症の予防になります。
まとめ
若い頃していた、夏休みの過ごし方
涼しいクーラーの効いたところで、
冷たいものやジャンクフードを食べて、
めんどくさいからシャワーで済ませて、
夜更かしした。
これらは、NGです!
食事も含めて、規則正しい生活を送ることで正常に体が働きます。
正常に働くことで免疫機能も正常に働き、コロナや熱中症の予防に繋がります。
監修 柔道整復師 小國良成