呼吸が浅くなる季節—胸郭が固まると肩こり・腰痛が出やすいワケ

こんにちは。
神戸市北区にあります 小国整骨院の小國 です。

12月に入り、冷え込みが一段と厳しくなってきました。

この時期になると、患者さんから

  • 「肩こりがつらくなってきた」

  • 「首が張って息がしにくい」

  • 「背中や腰が重くなる」

といった声を多くいただきます。

実は、こうした不調の背景には “胸郭(きょうかく)”の硬さ が深く関係しています。

胸郭の動きが悪くなると 呼吸が浅くなり、筋肉の血流が低下し、疲労も取れにくくなります

今回は、胸郭の動きと肩こり・腰痛の関係、そして今日からできるケアについて、お伝えしていきます。

冬の体調不良、解消のお役に立てば幸いです。


■ 「胸郭」ってどこのこと?

胸郭とは、

肋骨・胸骨・背骨(胸椎)でできている“胸のカゴ”のような部分 です。

この中には心臓や肺といった大切な臓器が守られています。

胸郭は呼吸に合わせて常に動いています。

  • 息を吸う → 前・外・上に広がる

  • 息を吐く → 内側・下方向にしぼむ

この動きがスムーズだと、肺がしっかり膨らみ、自然に深い呼吸ができます。

ところが…冬になると、この胸郭が硬くなりやすいのです。


■ なぜ冬は胸郭が動きにくくなるのか?

● ① 寒さで体が縮こまる

冷たい風に当たると、どうしても肩がすくみ、背中が丸くなります。

この姿勢のまま生活すると、

  • 大胸筋(胸の前の筋肉)

  • 肋間筋(肋骨の間の筋肉)

  • 広背筋・僧帽筋(背中の筋肉)

などがこわばり、胸郭が広がりにくくなります。

結果として 呼吸が浅くなる → 血流低下 → 疲れが取れない という悪循環が起こります。

● ② 猫背姿勢が増える

冬は

  • スマホを見る

  • 台所仕事

  • 洗い物

  • こたつ・暖房前で長時間座る

  • 外での姿勢

など前かがみ姿勢が増えます。

背中が丸い姿勢では肋骨が前後から圧迫され、
症状として

  • 肩こり

  • 首こり

  • 息苦しさ

  • 疲労感

  • 腰痛

が出やすくなります。

● ③ 忙しさで呼吸が浅くなる

年末は、気忙しさから知らぬ間に体が緊張します。

自律神経が乱れ、呼吸が浅く早くなり、胸部や背中の筋肉がよりこわばってしまいます。


■ 胸郭の硬さは腰痛にもつながる

肩こりだけでなく、胸郭が硬くなると 腰痛も悪化しやすくなります

● 胸郭が動かないと、腰だけに負担が集中する

本来、体を前に倒したりひねるときは「胸郭」と「腰」が協力して動きます。

しかし胸郭が固いと動かず、

腰だけで体を支える → 腰に大きな負担 がかかります。

料理・掃除・洗い物などの前かがみ姿勢で、
「ピキッ」「ズキッ」と腰が痛む原因になります。

● 呼吸が浅いと“お腹の力”が入らない

深い呼吸は横隔膜をしっかり動かします。

これが体幹の安定につながるのですが、

胸郭が固いと横隔膜が働きにくく、お腹が支えられません。

すると、

  • 腰が反る

  • 重心が前にずれる

  • 立ちっぱなしがしんどい

など、腰痛を引き起こします。


■ 整骨院でのアプローチ

当院では、

  • 肋間筋

  • 大胸筋

  • 背中の筋肉

  • 胸椎(背骨)

  • 肋骨の可動性

を丁寧に改善し、
胸郭が自然に動く状態へ整えていきます。

胸郭が動くと肺がしっかり膨らみ、

血流が改善し、肩こり・首こり・腰痛の改善につながっていきます。


■ 自宅でできる「胸郭セルフケア」

とても簡単で、毎日続けやすい方法をご紹介します。

● 呼吸に合わせて肋骨を動かす練習(3〜5回)

  1. 椅子に座り、背すじを軽くのばす

  2. 両手を肋骨にそえる

  3. 鼻から息を吸う → 肋骨がふくらむのを感じる

  4. 口から細く長く吐く → しぼむのを感じる

胸が動いていることを感じるだけで、呼吸が深くなり、体の緊張がゆるみます。


■ 冬こそ“胸まわり”をゆるめて元気に

寒くなると体は無意識に縮こまり、
胸郭が動きにくくなり、呼吸が浅くなります。

その結果、

  • 肩こり

  • 首こり

  • 背中のハリ

  • 腰痛

  • 疲労感

  • 冷え

などの不調が出やすくなります。

胸郭をしなやかに動かせるように整えておくことで、

「呼吸が深くなる → 体が温まる → 疲れが取れやすい → 痛みが出にくい」

という良い循環が生まれます。

「深呼吸しても胸が広がらない」

「息が浅くて疲れやすい」

「肩こりや腰痛が続いている」

そのような方は、どうぞお気軽にご相談ください。

寒い季節を元気に乗り切るための大切なポイントになります。


監修:柔道整復師
小國 良成(小国整骨院)