「動かせるけど痛い」は、体が出す“SOSサイン”かもしれません  ― その痛み、体の歪みが原因かも ―

こんにちは。

神戸市北区にあります、小国整骨院の小國です。

患者さんからよくこんなお話を聞きます。

「腕は上がるけど、痛いんです」

「膝は曲がるけど、動かすとズキッとします」

このように「動かせるけど痛い」という状態は、

まだ関節が動く余裕はあるものの、体のバランスが崩れ始めているサインです。


🔹整体の考え方:体は「守るために歪む」

整体では、体の歪みは「悪いもの」ではなく、

体を守るための防御反応と考えます。

たとえば、どこかに痛みや不調があると、体は自然にその部分をかばおうとします。

その結果、姿勢や筋肉の使い方に偏りが生まれ、

「歪み」という形で全体のバランスを取り始めるのです。

ところが、この“かばいの姿勢”が長く続くと、

今度は別の場所に負担がかかり、筋肉や関節の動きが制限されていきます。

その結果、動かせるけれど痛みを伴う状態になります。


🔹歪みから起こる3つの不調の流れ

体が歪むと、次のような3つの現象が連鎖的に起こります。

① 筋肉や筋膜のこわばり

歪みにより、ある部分の筋肉ばかりが働き、反対側は使われなくなります。

働きすぎた筋肉は硬くこわばり、動かしたときに「ピキッ」と痛みが出ます。

💡ポイント:

痛みのある場所が悪いのではなく、「そこが頑張りすぎている」ことが多いです。


② 関節まわりの炎症

歪みが続くと、関節の動きが片寄り、同じ部分ばかりにストレスがかかります。

それが積み重なることで関節包や靭帯に炎症が起こり、

「ズキン」とした痛みや動かした後のだるさが出てきます。

💡ポイント:

無理に動かすより、まず体全体のバランスを整えることが炎症の改善につながります。


③ 動かし方のアンバランス

本来、肩や腰は「複数の関節や筋肉」が連動して動く仕組みになっています。

ところが歪みにより、この連動がうまくいかなくなると、

スムーズに動かなくなり負担がかかる所に痛みを起こします。

💡ポイント:

「動かし方」を直す前に、「体の歪み」を整えることが根本改善になります。


🔹歪みのチェックポイント

  • 肩の高さが左右で違う

  • 片足に体重をかけて立つ癖がある

  • 写真を撮ると首や頭が傾いている

こうしたサインがある方は、すでに体のバランスが崩れ始めています。

痛みのある場所だけを治療しても、すぐに戻るのはこのためです。


🔹「動けるけど痛い」から「動けない痛み」へ

「動かせるけど痛い」状態を放っておくと、

やがて筋肉や関節そのものが硬くなり、可動域が減っていきます。

つまり、黄色信号(動かせるけど痛い)を放置すると、

赤信号(動かせない・強く痛む)へと進んでしまうのです。

五十肩や変形性膝関節症などは、この流れの延長にあります。


🔹体を整えると自然治癒力が働く

体の歪みを整えると、筋肉の緊張がゆるみ、関節の動きがスムーズになります。

すると血流や神経の通りが良くなり、体が本来もっている

**ホメオスタシス(自然治癒力)**がしっかり働きはじめます。

整体の目的は、この「治る力」を発揮しやすくすること。

痛みを“取る”だけでなく、“治る環境”を整えることが大切なのです。


🔹自分でできるケアのポイント

  • 温める:蒸しタオルやお風呂で筋肉をやさしく温める

  • 軽く動かす:痛くない範囲でゆっくり動かす(止めると硬くなる)

  • 姿勢を意識:座り方・立ち方を整えて歪みを防ぐ

  • 深呼吸をする:呼吸が浅いと筋肉は固まります。ゆっくり吐くことを意識


🔹まとめ

「動かせるけど痛い」というのは、

体が「そろそろ整えてほしい」と出している大切なサインです。

この段階で体のバランスを整えることで、

「動けない痛み」に進むことを防げます。

当院では、お一人おひとりの体の歪みを見極め、

自然治癒力が働きやすくなるように体の環境を整えています。

監修:柔道整復師

小國良成