60代男性の腰痛と歪み

60代以降の方が腰痛と脚のしびれで病院を受診すると

「腰の骨と骨の間が狭くなってきている」とか「ズレてきている」

なんて言われたことはないでしょうか?

気になってネットで調べてみると

「脊柱管狭窄症」や「腰椎すべり症」って出てきたけれど・・・

 

当院に通勤されている60代男性もそんな1人でした。

右の腰の痛みと右脚にしびれがあり、

歩くとしびれてきて休むと楽になる

これを繰り返していました

お身体を診せていただくと、

右へ体が傾いているけれど、本人の自覚はあまりありませんでした

元々、体はかたくて柔軟性に欠けていました。

治療して腰痛は割とすぐにましになりましたが、

起床時の腰痛と歩行時のしびれは寛解を繰り返していました。

 

通院して3ヶ月後には、痛みやしびれの強さは軽減していき

その後は、月に1度のメンテナンス治療で歩行時の支障はなくなりました。

治療は、股関節などの可動性の改善と体のバランスを整えることをしています

以前の調子が悪いときは歪みが顕著にありましたが、

最近では歪みが改善され脚のしびれもないとのことです

この男性同様に当院には、慢性の肩凝り、腰痛で来院される方が多いのですが

正面から見るとバランスが崩れて前後左右に曲がっている方がほとんどです。

どうして、こうなったかを普段の使い方からお聞きすると

脚を組んだり、捻れて作業したり、何かにもたれたりしています。

そんな、何気ない自分の癖に気づいて改めることで慢性痛は改善していきます

 

 

施術を始めるときには、必ず姿勢を診ます。

立っての姿勢や座っての姿勢 前後左右を比べ、どういう違いがあるか?

見た目は?

動きは?

筋肉の張りは?

...などなど その違いが原因のヒントになるからです。

とは、言うものの人体は、必ずしも前後左右対象になっているわけではありません。

その中で許容範囲なら問題ありませんが、許容範囲を超えると痛みや違和感を伴ます! 

では、 良い姿勢とは?

良い姿勢、悪い姿勢をみるときに判断する基準は、どのような視点で見るかによって異なります。

(写真 図解姿勢検査法より) 中央の縦線が重心線です。

 

力学的には、

重心線が前後左右偏りがなくなるほど安定性が向上します。

棒を立てるときもバランスが取れていると余分な力は必要ありません 人も同様に筋力をあまり使わずに姿勢が保持できます。  

 

 

 

 

 

 

 

生理学的には、

疲労しにくいこと。

同じ姿勢を続けたり、緊張状態でいると、筋肉の動きがないので血液循環量が低下して

老廃物は溜まり栄養やエネルギーが運ばれてこないので筋肉は疲労を生じます。

(首、肩の凝り、腰の張りなど)

こまめに姿勢を変化させることで筋肉が伸縮し血流が改善して疲労が軽減されます。

また、背中を伸びていると内臓器官に圧迫や負担がかからない状態なので正常に機能しやすい!

 

心理学的には

感情や心の持ちかたは、姿勢に現れます。

喜び、幸福感、自信は、伸展位が優位となり背筋を伸ばします

逆に不幸や劣等感(ストレス)は、屈曲位が優位になり背中が丸くなります  

 

悪い姿勢になる原因とは?

普段の使い方(動き、癖、生活パターン)、心理状態(感情)が結果として姿勢に現れます。

 

対策

普段の何気ない使い方や癖から姿勢が崩れてきます、そして様々な影響をもたらします

バランスよく意識を持つことが大切ですが、 良い姿勢も悪い姿勢でも同じ姿勢で固まっていることが良くありません!

なので、こまめに立ったり座ったりら右に向いたり左に向いたり姿勢を変えることが大切です

難しく考えずに、まずは姿勢をこまめに変えましょう。

また、家庭や職場での座席の位置による環境も見逃せません。

テレビやパソコン、机など出来るだけ正対して捻じれずに使用できるようにしたり、席替えをしてみるのも良いですね。

ご自身の行動を見直して環境を整えてあげましょう。

 

バランスを整えるセルフケア

  ①体幹、肩、股関節の運動 足は、肩幅よりやや広く着き リラックスして でんでん太鼓のように右に左に捻ります。

右に5回づつ繰り返します 。

 

 

 

 

 

 

 

 

②手足交差前屈 左右を交差して前屈することで骨盤のバランスを整え、背骨の捻れを修復します。 

両足、両手を交差します。 両足の爪先は出来るだけ揃えます。

両手は、へその前で交差します。 手、足は同じ側が前にくるように揃えます  

 

 

 

 

 

 

 

そのままの姿勢を崩さずに前屈します。

反動をつけずに腰が曲りきったところで一旦しっかりと止めて(2秒)から戻します

左右の手、足を変えて3回づつ繰り返します    

 

 

 

 

 

 

 

 

監修:柔道整復師 小国良成