寒さで増える「ぎっくり腰」——12月に急増する理由と対策まとめ
こんにちは
神戸市北区にあります小国整骨院の小国です。
12月に入り、ぐっと寒さが増してくると、腰痛を悪化させたり、突然“ギクッ”と痛みが走る「ぎっくり腰」で来院される方が一気に増えます。
実際、12月〜1月は、一年の中でぎっくり腰が多い時期です。
なぜ寒い季節になると、ぎっくり腰が起こりやすくなるのでしょうか?
今回は、【寒さによる筋肉の変化】と【年末特有の生活リズム】という二つの視点から、12月のぎっくり腰の原因と対策をお伝えします。

■ なぜ寒いとぎっくり腰が増えるのか?(原因まとめ)
① 筋肉が冷えて固くなる
気温が下がると体が冷え、筋肉は柔軟性を失って「伸び縮み」しづらくなります。
冷えたゴムが切れやすいのと同じで、硬い筋肉はわずかな動きで痛めやすくなります。
特に、
-
前かがみになる
-
重い物を持つ
-
くしゃみをする
こうした何気ない動作でぎっくり腰が起こりやすくなります。
② 姿勢が丸くなり、腰に負担がかかる
寒いと背中が丸まり、骨盤が後ろに倒れ、腰だけで体を支える姿勢になりがちです。
朝のこわばった状態で、
-
靴下を履く
- 顔を洗う
-
布団を持ち上げる
などの動作がきっかけになるケースが非常に多いです。
③ 忙しさによる疲労(年末特有のストレス)
12月は心身ともに負担が増えます。
-
大掃除
-
長時間の台所作業
-
忘年会・イベントによる暴飲暴食
-
仕事の忙しさ
-
年末の長時間運転
- 睡眠不足
精神的ストレスや過労が続くと、交感神経が優位になり、血管が収縮。血流が悪くなることで筋肉が疲労しやすくなり、ぎっくり腰のリスクが高まります。
④ 自律神経の乱れ
暴飲暴食や睡眠不足、生活リズムの乱れが起こりやすい季節です。
胃腸が疲れると、それに反応して背中〜腰の筋肉も緊張しやすく、痛みの原因になります。
さらに、睡眠不足は疲労回復を遅らせ、筋肉のこわばりを招きます。
⑤ 大掃除などの慣れない動作
普段しない姿勢での作業や、重い物を持つ、身体が温まっていない状態での作業は腰への負担が大きく、ぎっくり腰を誘発しやすくなります。
■ ぎっくり腰を防ぐための対策(実践しやすいものだけ)
① 冷え対策
-
タイツ・レッグウォーマー・腹巻で下半身を冷やさない
-
腰や背中にカイロを貼る
-
軽い運動で血流を良くする
冷えはぎっくり腰の大きな原因。特に“お腹と腰の保温”は効果が大きいです。
② 朝の動きはゆっくり
起きた直後に前かがみは危険です。
**布団の中で、膝を立てて左右に倒す運動(各10回)**をしてから起きましょう。腰の急な負担を防げます。
③ 腰ではなく“胸”を動かす意識
掃除機・洗い物・台所仕事のときは、つい腰から曲げてしまいがちです。
ここで大事なのは、“胸(みぞおち)を前に倒す”イメージで体を動かすことです。
具体的には、
-
胸を前にスッと倒す(背中は丸めない)
-
腰だけを折らず、股関節(太ももの付け根)を曲げる
-
胸が先に動く意識を持つ
この3つを意識することで、前かがみ姿勢でも腰への負担が大幅に減ります。
掃除機・洗い物・台所仕事のときは、
腰から曲げない → 胸から前に倒す
この意識だけで腰の負担が大幅に減ります。
④ 足を軽く前後にして立つ
台所・洗面所・掃除など、立ったまま行う作業では、足を15cmほど前後にずらすと腰が安定します。
⑤ 忙しい時こそ休む
疲労はぎっくり腰の大敵。
メリハリをつけ、休める時はしっかり休むことが大切です。
⑥ 自律神経を整える
-
温かく消化の良い食事
-
暴飲暴食を控える
- しっかりと睡眠を取る
-
朝、太陽の光を浴びる
-
40℃のお湯に10分浸かる
これらが副交感神経を働かせ、疲労の回復を助けます。
⑦ 大掃除の姿勢に注意
重いものを持つ時は、
足を開いて腰を落とすのがポイント。
逆に、一見軽いものを持つ時こそ油断しやすく、脚を伸ばして前かがみで持つと腰を痛めやすいので注意してください。
■ 「もしギクッとなってしまったら」
-
無理は禁物だが、動ける範囲で動く
-
冷やさない
-
痛む姿勢を避ける
そして痛みが強い場合は、早めにご相談ください。初期対応で治りの早さが大きく変わります。
■ まとめ
12月は、
-
冷え
-
忙しさ
-
自律神経の乱れ
-
大掃除などの負担
これらが重なり、ぎっくり腰のリスクが一年で最も高くなる季節です。
しかし、
-
朝はゆっくり動く
-
使い方(腰から曲げずに股関節を使う)
-
生活リズムを整える
-
お腹に軽く力を入れる
-
冷やさない
この5つを意識するだけで、ぎっくり腰はしっかり予防できます。
「なんだか腰が怪しい…」と感じたら、早めに身体を整えることが一番の対策です。
今年の12月も、どうか無理をせず、体を温めてお過ごしください。
監修:柔道整復師 小國良成