冬の肩こり・首こりの原因は「胸の動きの悪さ」から?
こんにちは。
神戸市北区にあります小国整骨院の小國です。
朝晩はぐっと冷え込むようになり、冬がやってきましたね。
「肩こり」や「首のハリ」が気になるという声をよく聞くようになりました。
実はこのような不調、寒さに加えて胸の動き(胸郭の動き)が深く関係しています。
胸の動きを改善すると肩こりだけでなく、疲労の改善など様々な効果があります。
是非、参考にしていただけると幸いです。

■「胸郭」ってどこのこと?

胸郭(きょうかく)とは、肋骨・胸骨・背骨(胸椎)で囲まれた胸のカゴのような骨格のことです。
この中には、心臓や肺などの大切な臓器が収まっています。
胸郭は呼吸のたびに動いており、
息を吸うときには「前・外・少し上方向」に広がり、
吐くときには「内側・下方向」にしぼむように動きます。
この動きがスムーズに行われることで、肺がしっかりと膨らみ、
深い呼吸ができるようになっています。
■寒くなると胸郭が動きにくくなる理由
寒さを感じると、人は自然に体を縮こめて首や肩をすくめる姿勢をとります。
このとき、
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胸の前の筋肉(大胸筋)
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肋骨と肋骨の間の筋肉(肋間筋)
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背中の筋肉(広背筋や僧帽筋)
といった筋肉がこわばり、胸郭の動きを妨げてしまいます。
胸郭が硬くなると、呼吸が浅くなり、酸素の取り込みが減ってしまいます。
すると、血流が悪くなり、代謝や回復力が落ちてしまうのです。
つまり「寒い → 体が縮こまる → 胸の動きが小さくなる → 呼吸が浅くなる → 疲れが取れない」という流れが起こってしまいます。
■猫背になるとさらに呼吸が浅く
寒い時期はどうしても背中を丸めた「猫背姿勢」になりがちです。
この姿勢では、肋骨が前後から押しつぶされる形になり、
吸っても胸が広がりにくくなります。
また、首や肩の位置が前にずれることで、
首や背中の筋肉に常に力が入り、こりが強くなります。
胸郭の動きが悪くなることで、
「肩こり」「首こり」「息苦しさ」「疲れが取れない」といった不調が現れてくるのです。
■整骨院でのアプローチ
当院では、胸郭まわりの筋肉(肋間筋・大胸筋・背中の筋群など)の緊張を和らげ、
肋骨が本来の動きを取り戻すように整える施術を行います。
特に、背骨(胸椎)や肋骨の動きを引き出していくことで、
姿勢を整え、胸郭が動くようになります。
胸郭が動くことで肺がしっかり膨らみ血流が良くなります。
■自宅でできる胸郭セルフケア
呼吸に合わせて胸郭を動かすように意識することで胸のまわりが少しずつ柔らかくなっていきます。
《やり方》
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椅子に座り、背すじを軽く伸ばします。
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両手を肋骨の下に軽く添え、鼻からゆっくり息を吸います。
このとき、肋骨がふくらむのを感じてください。 -
口からゆっくり息を吐きながら、肋骨がしぼむのを感じましょう。
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1回につき3~5回を、気付いたときに行います。
この動きを意識することで、
呼吸が深くなり、副交感神経が優位に働きやすくなり、肩や首まわりの緊張も和らぎやすくなります。
■まとめ
寒くなると、体は無意識に緊張して姿勢が悪くなり、
胸郭の動きが小さくなって呼吸が浅くなります。
それが、肩こり・首こり・疲労感・冷えといった不調につながります。
胸郭をしなやかに動かせるように整えることで、
「呼吸が深くなる → 体が温まる → 疲れが取れやすくなる」という良い循環が生まれます。
もし、深呼吸をしても胸が動かない、息が浅いと感じる方はご相談ください。
寒い季節を元気に乗り切るための第一歩になります。
監修:柔道整復師
小國良成