野球肘(少年野球)
先日、ひょんなきっかけから来院された野球少年がいました。
以前、痛かった右肘が投げた後、痛みがあるとのことで来院されました。
彼は、ピッチャーでチームのエースです。
以前も痛めたことがあり、病院でストレッチやトレーニングの指導を受けて
肘をはじめ身体のケアに気をつけているようです。
野球肘とは
自分の手のひらを上にしたときの肘の内側が投球時に牽引力がかかり、外側には圧迫力がかかります。
内側には、靭帯や、手の指や手首を曲げる筋肉の付着部があり、そこに牽引力がかかり痛みを感じる。
外側には、橈骨と上腕骨に圧迫力がかかって痛みを感じる。
ひどくなると、軟骨を痛めてしまう場合があります。
お話を聞いていて気になったのは、球数が増えると痛くなってくるとのこと。
確かに球数は多いようです。
少年野球の球数の目安は、70球です。
単純に使い過ぎたから、肩・肘が 痛くなるのではなく、投球は全身運動です。
同じ動作ばかり繰り返していると脚や腰、体幹にも疲労が重なりフォームのバランスが崩れてきます。
実は、肩・肘の痛みの原因は別の場所に隠れていることが多いのです。
〇軸足の荷重する場所によっては踏み出す足の位置が変わり、結果、腰や肩・肘に負担がかかり痛みに繋がるなんてことも珍しく ありません。
〇首が捻じれなくてセットポジションから上半身が捻じれていてバランスが悪いまま投げてると肩・肘に負担がかかり痛めてしまうこともあります。
また、逆に言うと下半身の動きからの連動がスムーズだと投げても痛みを感じないこと疲れにくいことだってあります。
バランスが崩れると投球にも現れます。
コントロールが急に乱れたりしてきます。
初回に乱れているのと、終盤の乱れてくるのは意味していることが違います。
無理な使いかたを続けると結果として肩や肘に痛みがおこります。
指導者の方々、球数や投球の変化には充分に気をつけください。
どの状態で練習メニューをかえるか?
肩を上げにくければノースロー
練習開始前に、1kgのダンベルを肘を伸ばしたまま前、横、
それぞれ肩の関節を90度まで持ち上げ、上げることができなければノースローとする。
肘を伸ばしにくくなればノースロー
練習開始前に1kgのダンベルを持ち肘の曲げ伸ばしを行う、痛みを伴う場合はノースローとする。
まとめ
少年野球は、成長のスピードが一人一人で違うので同じ尺度で考えるのは難しいです。
また、この時期は神経系の発達がおこりやすいときなので投げ方など
正しい体の使い方やフォームが身につけばと考えます。
痛みや違和感を持って練習を続けるのは危険です。
痛みや違和感があれば、少し休んでみる。
それでも続くのなら早めの受診をお勧めいたします。
監修:柔道整復師
小国良成