バネ指(腱鞘炎)
手を握るときに、曲げにくく、伸ばそうとするときにすぐに伸びずに往生する。
伸びにくいところにしこりのようなものがあるなんてことはありませんか
バネ指とは、
手のひらの赤丸の部分におこる腱鞘炎です。
腱鞘(けんしょう)とは、
筋肉の端は細くなり硬くなって腱になり骨に付着するのですが、
その腱が横にずれたりするとうまく力が伝わりません。
そこで腱を付着部に導くトンネルが腱鞘です。
(からだの地図帳参照)
(評価からの治療手技参照)
そのトンネルである腱鞘が使い過ぎにより炎症をおこすと肥厚してきます。
肥厚してくると腱の滑走が悪くなります。
指を曲げて伸ばそうとしてもスムーズに動かずそれでも、さらに伸ばそうとしたときに
痛みを伴いパチっという弾発現象とともに動きが可能になる症状を弾発指、バネ指と言います。
よくおこる指は?
母指、中指、薬指におこることが多いです。
原因は
使い過ぎ
パソコン、ゲーム、ギターやピアノの演奏など指の使い過ぎによっておこります。
ホルモンのバランス
更年期の女性におこりやすいです。
ホルモンのバランスが崩れることによってもおこります。
体の歪み、使い方
症状は手に出ていますが体(背骨)の歪みにより胸郭(肋骨、背骨、胸骨)の動きが悪くなると肩甲骨や肩の動きが悪くなり、その負担が手にかかってきます。
また、手を動かす筋肉においても偏った筋肉の使い方をしていることも原因の一つで内在筋といって手部にある筋肉がうまく使えてないことがよくあります。
治療は、
・保存療法
まず最優先されることは、患部を安静にして炎症を軽減することです。
使い過ぎによるバネ指で初期の段階では、安静(固定)にして経過観察で改善してきます。
しかし、手を使わずにいることが難しく家事や仕事で使っているので痛みがぶり返したり、痛みが続くことがよくあります。
固定
バネ指になっている指の第二関節(PIP関節)をテープで固定し曲がりにいくくします。
非伸縮のテープを巻きつけて固定します。
強く巻きつけて指先が鬱血しないように!
日中はテーピングをして寝るときははずしてください。
・手術
腱鞘切開といって腱鞘を切って開きます。
術後2週間くらいは患部安静のため、手を積極的に使えません。
日帰りで整形外科クリニックでもされているところもあります。
当院では、
- 微弱電流で治癒力を高めます。
- 固定(テーピング)
- 手技
手に症状がでるのは、胸郭や肩甲骨、肩や肘、手首の可動性が悪くなりその負担が手にかかることがよくあります。
患部から離れたところから診せていただき可動域の改善や関節周囲のトレーニングにより可動性を改善していきます。
セルフケア
①手首のトレーニング1
招き猫のようなポーズをとります
(脇を軽くしめ、肩の力は抜きます)
母指、示指、中指を意識してグーを握ります
できるだけの力で手首を曲げて10秒キープします
3~5セット繰り返します
②手首のトレーニング2
母指を下に向け、薬指と小指を意識してグーを握ります
肩の力を抜き出来る限りの力で手首を曲げ10秒キープします。
3~5回繰り返します
③指の運動
パーの状態から手で「コ」の字をつくる
四指の第一、第二関節を曲げずに手前に引く
母指は前に突き出すようにする。
10回繰り返す
④指の間を広げて閉じる
10回繰り返す。
まとめ
手先だけの問題だけでなく、肩や胸が上手く使えてないことや、
手の筋肉もバランスよく使えてないことで起きていることがよくあります。
セルフケア是非やってみてください。
バネ指でお困りの方はご相談ください。
監修:柔道整復師
小国良成